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「おかえり」中間報告
日本のおばあちゃんが待っています。

以下のような日本語学習者を指導されておられる先生を探しています!!

1)約束を守れる環境にいる
2)向学心があり、明確な目標を持っている
3)zoom録画など、自主的に「おかえり」にコミットできる


およそ9ヶ月前に、母に生きがいをプレゼントしたい、という気持ちから始動した「おかえり」プロジェクト。

参考記事:N2以上の日本語学習者を教えているあなたの力をかしてください

こんなことを目指していました。



Facebookで日程調整し、zoomで会話&録画、Googleドライブ(DropBoxから変更)に格納して見返す。
この呼びかけに広島国際学院大学のChiemi Kawasakiさんが手を挙げてくださって、国内留学生と母との計6回の交流が生まれました。


「おかえり」を始めるにあたって、3つの仮説を立てました。

以下、その検証です。

教科書の日本語とちがう
生の日本人との関係性は
意外と価値がある



仮説 文法も会話も問題ない、もっと日本人と話す機会が欲しい、習った熟語とかがどこまで通じるのか生の日本人で試したい、というレベルの学生さんは母との会話に価値を見出す

 [100点満点で学生さんに感想を聞いた結果]

      会話する力が磨ける 60点/100点
  生の日本文化や礼儀を学べる 80点/100点
  日本におばあちゃんができる 70点/100点

学生さんに100点との差分を聞くと、「自分の勉強不足・準備不足」との回答。アルバイトで時間が確保できなかったそう。

留学生として来日し、学業と並行して、アルバイトを掛け持ちしていた学生さん。アルバイトのシフトは、ほぼ同じ国の出身者と。バイトをはしごし、学校に通うと、もう時間がありません。学校で日本語をせっかく習っても、使う機会がない。一方で、バイト先でマニュアル以外の接客が求められることもしばしば。そんな時、どういった日本語の表現が適切なのか。今すぐ使える日本の習慣・礼儀を勉強できるんではないか。これが「おかえり」に協力してくれたきっかけでした。誘われた時は、ワクワク、でもちょっぴり恥ずかしいかったそう。

実際にやってみると、教科書で習う日本とは別の世界が待っていました。母の趣味である刺繍の話や、ずっと気になっていた和食の作り方、アルバイト先での人間関係の悩み。本当に何気ない、ゆっくりとした会話が紡がれました。学生さんが「おかえり」で一番印象に残っていたのは、「よろしいですか」という万能フレーズと、「はいはい」は失礼だということ。

しばらくはKawasaki先生とぼくの合いの手をかりて、「おかえり」に参加していた学生さん。やがて、自発的に話題を考えてきたり、「おかえり」の中で出てきた言葉をメモし、大事に持って帰るようになりました。新しい表現や言葉を覚える機会にしようとする意思が見られる。横で見守っていたKawasaki先生はそう感じたそうです。




間違えても、大丈夫。
おばあちゃんとなら
安心して話せる


仮説◆孫、じいちゃんばあちゃん、という設定だと、会話がつっかえたりしても気まずくならずに、お母さんも学生さんも楽しく時間を過ごせる

「おかえり」が提供できる価値はなんだろう。

先述の通り、「会話する力が磨ける」「生の日本文化や礼儀を学べる」「日本におばあちゃんができる」という仮説を立てました。でも、それ以外の思わぬ効果がありました。以下、学生さんからのフィードバック。
「おかえり」に参加するまでは、日本人と会ってもあまり喋らない。飲み会でも話さない。日本人の生活習慣が全然わからない。日本は好きだけど、興味、うまく広がらない。知らないことが多い。そして、生活で困る。
「おかえり」ではおばあちゃん、いつも優しい。間違えても大丈夫。おばあちゃんと積極的に話して、自信をもらいました。気持ちがちょっと楽になった。今は日本語を喋る時、あまり緊張しなくなった。日本料理や習慣にも興味がもてた。日本の友だちもできた。

「おかえり」で母と話す。文法が間違っていても、会話がつっかえても、何を言っても、「大丈夫よ」と受け入れて、聞いてもらえる。自信がつく。学生さんにとって、「おかえり」は安心して自己開示できる場になっていました。1回目は緊張していた学生さんも、回を重ねるごとに笑顔と笑い声が増え、(たしか)4回目以降は、先生の部屋のPCからではなく、自分の部屋で自分のスマホで参加するようになりました。

母も、「先生と生徒」ではなく「おばあちゃんと孫」という設定だったので気が楽。学生さんの日本語がうまくなるお手伝いが少しはできたかな、やった意味はあると思う、とのことでした。が、課題も。


課題
明確な目標を共有していなかったので、母が「おかえり」でハリを感じることはなかった。


「おかえり」は楽しかった。でもせっかく学生さんとともに時間を過ごすなら、何に向かって日本語で話をしているのか、学生さんの目標を共有した上で、「おかえり」に臨みたい。

学生さんに聞いてみると、日本語検定一級合格、という明確な目標をもっていました。合格するためにアルバイトを減らして、勉強する時間をつくる、とのことでした。が、その後、残念ながら学生さんと音信不通になってしまいました。

冒頭の三つの条件のうち、二番目の「向学心があり、明確な目標を持っている」はこの課題から来ています。



仮説:言い出しっぺのぼくが、週2時間のコミットでこの仕組みを回せる

不安障害で活動時間に制限がある。在宅で複数の仕事をする中での、「おかえり」のサポートでしたが、結果的には仕組みを回すことができました。が、課題も明確になりました。


課題
ぼくがいないと「おかえり」が技術的に成立しない


当日ぼくが母の側にいて、zoomを立ち上げ、共有リンクを発行して、Facebookでグループに投稿し、録画ボタンを押す。「おかえり」が終わったら、録画終了ボタンを押し、ローカルにダウンロードされた動画ファイルの名前を書き換えて、Googleドライブに格納する。
この一連の作業を母にお願いするのは難しい。できれば学生さんにしてもらいたい。そうすれば、学生さんからの急なスケジュール変更にも対応できます。学生さんと話し合ってこの一連の流れを代行してもらうことを約束したのですが、先述の通り、「おかえり」に来ませんでした。

母からも、ぼくがいなくても「おかえり」ができるようになると嬉しいとのリクエストをもらいました。
冒頭の三つの条件のうち、三番目の「zoom録画など、自主的に「おかえり」にコミットできる」はこの課題から来ています。



決めたことは守る
難しければ、
ちゃんと連絡する


そもそもの「生きがい」は感じられたか。母に聞いたところ、改善余地ありで△でした。

孫役の学生さんと普通におしゃべりするだけなので、負担感はない。学生さんの日本語がどんどん上手になっていくのにビックリした。

だけど、連絡なしに予定をキャンセルされた(しかもそれが続いた)のは、正直、嫌な気持ちになった。決めたなら、決めた通りにやりたい。約束は守って欲しい。もちろん、約束を変えることは柔軟に対応できる。学生さんの立場になって考えると、友達の誘いや、アルバイト、突発的なイベントも発生するだろうから、定期開催は負担なのかなとも思う。だから、予定していた日程が難しくなったら、簡易メッセージでよいから、事前に断りの連絡を一本ほしい。

ぼく伝に、学生さんが、無断欠席で中断していた「おかえり」にまた参加したい、そのためにアルバイトも減らして時間を作った、と聞いて、喜んでいた母。その学生さんがまた無断欠席で音信不通になったことに、とてもがっかりしていました。


課題
学生さんが無断欠席、音信不通になる


学生さんはいくつものアルバイトを掛け持ちし、体力的にも精神的にもあまり余裕がない状態にあったのではと推察します。約束を守りたくても、守りづらい環境にいたのではと。また、音信不通がつづいたきっかけは2018年7月の西日本豪雨災害でした。様々な要因が絡まっての無断欠席だとは思いますが、ちゃんと連絡の取れる環境にいる学生さんのほうが、約束を守ることが大前提の「おかえり」には、向いているのかもしれません。

冒頭の三つの条件のうち、一番目の「約束を守れる環境にいる」はこの課題から来ています。



母曰く、こんな自分でも役に立っているなら、「おかえり」を続けたいとのことでした。


「おかえり」を通して、外国への見方も変わった母。学生さんの日本語の上手さ、そこに至るまでの努力にたいして、ものすごく敬意を払っていました。

「私だったら、外国語でおしゃべりなんてできない。学生さんはすごいわね」
「学生さん、今日はこの前よりたくさん話せたよね。成長のスピードが早い!」

と「おかえり」の話題になるたびに感心しきりで、「いつか、本当にお会いしましょうね」と学生さんと約束したことを楽しみにしていました。

紙に文字を書いて、カメラに映るように紙を寄せたり引いたり。学生さんがわからない単語をやさしい言葉で何度も言い換えてみたり。自分の知らない外国のことを、「おかえり」の後で、ネットで調べてみたり。

「これからも、「おかえり」をやってもいいけど。あー、でも、(生き甲斐が欲しいだなんて)大変なことを言ってしまったわ」

そう言いつつも、「おかえり」の時の母は、いつも笑顔でした。


母がより楽しい時間を過ごし、ともに時間を過ごす学生さんの人生も豊かになるような、そんな場にすべく、今後も改善を重ねていきます。



まとめ

仮説
・文法も会話も問題ない、もっと日本人と話す機会が欲しい、習った熟語とかがどこまで通じるのか生の日本人で試したい、というレベルの学生さんは母との会話に価値を見出す
→見出した。何気ない会話はものすごく価値がある

・孫、じいちゃんばあちゃん、という設定だと、会話がつっかえたりしても気まずくならずに、お母さんも学生さんも楽しく時間を過ごす
→楽しく過ごした。学生さんにとって自信をつける場になった

・言い出しっぺのぼくが、週2時間のコミットでこの仕組みを回せる
→回せた


課題
・明確な目標を共有していなかったので、母が「おかえり」でハリを感じることはなかった
→「おかえり」を始める前に学生さんの目標と「おかえり」の期限を設ける

・ぼくがいないと「おかえり」が技術的に成立しない
→マニュアルを作成して、学生さんに「おかえり」の立ち上げをお願いする

・学生さんが無断欠席、音信不通になる
→約束を守れる、連絡が取り合える学生さんを探す



というわけで、毎週一回1時間で、「おかえり」に参加してくれる学生さんと学生さんをサポートされておられる先生を探しています。

最後に、呼びかけに協力してくださった筒井さん、一緒に「おかえり」を見守っってくださったKawasaki先生。本当に、ありがとうございました。
学生さん。今回は残念な結果で終わってしまったけど、この経験を糧に、より深く日本と関わっていってください。母ともども、日本語検定1級に合格するように祈っています!絶対に合格してね!応援しています!!


長文、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!
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