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アウトプットを用意していないインプットはむしろ害になる
口癖が「成長」なんだけど、
なんのための成長なのか
腹落ちしていない人


に捧げる一冊。

宮城谷作品で「志とは!」みたいな硬いテーマの本を読んだ後だったので、ステーキの後のデザート感覚でペロリといけました。

キラキラした目標はしんどいぞ
他人と比較するのは合理的でないのでやめよう

という至極真っ当な現実を、ちきりん節を効かせて調理。「あなたが当たり前に感じているそれは、本当に当たり前なのか」が本書のメインテーマ。

いきなり最高峰(大きな目標)に弾丸アタックするのではなく、峰々のキャンプ(小さな目標)を少しずつつないで前進しようぜ、という説法は腹に染み入ります。たしかに目標を細切れにしたほうが楽だし、長続きする。

その道のトップについていくのは、めちゃくちゃ大変で、
認められようと無理して、美学を拗らせている人が多い。

どんだけ、美学で完全防備しても、その道のトップランナーが繰り出すアウトプットと自分のアウトプットとは比較になりません。理想の自分に近づくためのツールはずだったのに、いつのまにか自分を追い詰める悪魔の道具に変わっていたのなら、その美学(高い目標に挑む姿勢)はさっさと手放したほうが、気が楽です。ちきりんが言う、まさに「合理的」。でも、ストイックな星の下に生まれた人はなかなか美学を手放せないんですよね。ボクは病気という激痛の産道を潜ったことで、多少は手放せましたが、まだ両手に持ってるし…

あと、「人類皆平等」という幻想が人を苦しめるという指摘にも、ふむふむと頷きながら読み進めました。各人が備え持つスペックも外的環境も同じではない。比較して、訳も分からず「成長」を追い求めるのは、砂漠で蜃気楼に向かって歩くようなものだからやめようぜ、と。


中でも一番、今の心にクリティカルヒットしたのはこちら!

アウトプットのないインプットは
根詰まりを起こして、人格をこじれさせる


ロケットに例えると、目標に向けて成長エンジンをふかすとき、エンジンから炎が全然噴射されていない状態。でも、燃料は注入されつづける。あっという間に爆発しちゃいますね!

本書を読んでから「今からのインプットは最終的にどんなアウトプットとして錬成されるんだっけ」と思うようになりました。言葉を変えると、アウトプットがイメージできないインプットは消化不良を起こして、精神的体調を悪化させるので避けようという意識にチェンジしました。

最後に、「充実した休日」という表現が矛盾しているという指摘も納得です。休日なんだから、ゴロゴロしなきゃ。周りを見渡しても、オンオフがしっかり切り替えられる人は傾向として、安定したパフォーマンスを出せています。そして、歳を重ねていけば、本人の意思と関わらず、マジでゴロゴロして何もしない状態にしないと、HPゲージが回復しません。
休日もキラキラをアピールする人、自分の自信のなさと正面から向き合って、解脱しましょう。

なんだかんだで、アウトプットに1ヶ月半かかりました。ごちそうさまです。
 日本の将来に悲観的な人の多くはそもそも期待値が大きすぎるのです。たとえばそういう人は「世界第2位の経済大国である日本」を維持したいと考えたり、「国際社会でリーダーシップを発揮し、諸外国から尊敬される日本」を夢想しているようです。
 確かにこんな体たらくの国でそんな高い目標を掲げたら悲観的にもなるでしょう。でも、そんな高みを目指す必要はないのです。
 世界には200もの国があります。その中で世界2位とは、トップ1%です。あなたは今まで自分の人生において、トップ1%を目指したことがありますか?
 500人の高校で、勉強でも運動でも「俺はトップ5人に入る!」などと思っていたでしょうか。たいていの大はそんなだいそれた希望を持ったことはないはずです。
 学校にもひとりやふたり、「特別な」子供がいますよね。勉強も運動もできて話もうまく、生徒会長にも委員長にもクラブの部長にも選ばれるような子供です。そういう大に凡人が勝負を挑むのはバカげています。(p10-11)


 そもそも「充実した休日」つて、言葉として矛盾しています。なぜ休日が「充実」している必要があるのでしょう? 休日は「休む日」なんだから、1日ゴロゴロしていて疲れがとれたらそれで十分です。(p20)



 ところで、既にローンを借りている人でも、自分のローンの「利子総額」を知らない人がいます。よく「僕は住宅ローンが3000万円あって……」という人がいますが、それは借金の元本額です。それ以外に利子総額を払っているはずです。
 ちなみに3000万円を2%の利率、35年の元利均等払いで借りると、利子総額は1200万円弱です。ボーナス払いや、変動ローンで利率が上がればさらに増えます。
 この1200万円は、不動産の対価ではありません。不動産の値段は「元本合計十頭金」です。利子総額とは「お金を貸してもらうことの対価として、銀行に払う額」であり、銀行の収入になる部分です。
 すなわち3000万円のローンで家を買う、とは、3000万円の不動産を買い、同時に1200万円の費用が必要な資金調達をする、という意味なのです。
 この「利子総額」を意識することが、ローンを組むときにとても重要です。たとえば「35年ローンを組んでいるけれど、もっと早く返すつもりだ」という人がいます。でも「35年ローンを組んで早期返済して20年で返す」のと、最初から20年ローンを組むのでは、利子の総額は大きく違います。利子総額を知れば、多くの人が最初から20年ローンを組もうと考えるでしょう。

 個人的には、10年以上のローンが必要になる価格のものは、それが家であれ車であれ教育投資であれ、自分には分不相応なものだと考えています。そのあたりが、常識的でまっとうな経済感覚だと思うのです。

 分相応に暮らしましょう。(p83-84)



 企業の例で見てみましょう。最近、大注目のインド市場において、自動車業界のトップ企業は日本のスズキです。
 あんな混沌とした国に早期に進出するのはどんな企業にとっても大きなリスクを伴います。しかしスズキにとってはトヨタやホンダが注力する日米欧ではトップになれないし、発展途上国の中でも中国には世界の一流企業が早くから目をつけています。
 だから「トップになれる市場」を確保するため、他の一流企業がとらないリスクをあえてとって早期にインドに進出し、状況が悪くても撤退せずに踏ん張り続けて、トップ企業になったのです。
 非常に戦略的ともいえますが、いい方を変えれば「勝てない市場を諦めて、勝てる市場で勝負する」「ライバルが少ない分野を選んで勝負する」作戦ともいえます。(p147)



 逆接的ではありますが、慟く時間を減らさない限り仕事が早くできるようにはなりません。一般にはまじめな人ほど、仕事が終わらないと慟く時間を延長します。けれど働く時間を増やせば、生産性はどんどん下がります。

 生産性とは「アウトプット÷インプット」で計算する比率です。分母の「イップット=慟く時間」を増やしたら、生産性(=仕事の効率)はどんどん落ちます。やるべきことは「より働く」ことではなく、「慟く時間を少なくする」ことなのです。

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