<< June 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

「やりたい!」とつい思う場を作るのって超大事!
明確なビジョンやカリスマ的経営手法を持った
超人リーダーが組織を引っ張る時代は終わった


という現代の暗黙知を反芻したい人、召し上がれ。

マネジメントの手を離れ、メンバーが組織全体の最適解に自律的に近づいていくために、リーダーはどのようなマインドセットをしたら良いか。という「ワンマン経営変えたいあるある」がわかりやすい言葉で調理されてます。ゆえに、読了感、喉越しが半端ない。

つい10年くらいまでは、明確な経営目標(KPI)を作成し、それをベースにメンバーを管理するのが、美しく無駄のない経営と賞賛されました。

でもさ。
それっていまも、やる意義あるの?

と「?」マークが自然点灯するような論理展開のもと、中央集権的な指示命令系統だと、もう現場の変化のスピードに適応できないよね、と著者は説きます。

個人的に「そうだよなー」と思ったのは、2:6:2の「パレートの法則」にたいする新しい見方。
パレートの法則は、営業会社で「成果も上げずに、組織にぶら下がってる下位20%はお払い箱だ!」と死の宣告を発動する時によく使われるアイテムですが、2:6:2はなにも「成果」という物差しだけに当てはまるわけではないのですよね。
成果は下位20%でも、例えば、同僚のメンタリングでは上位20%のようなメンバーもいる。数字だけでは単純にメンバー個人の総合価値は算出できない。

組織のメンバー全員に100%の完全さを要求するのではなく、その人のどこがレベルの高い20%にあるのかを調べ、そこを伸ばしていくほうが組織にとってもプラスですし、本人もやりがいや幸福感を感じるのです。


という高間先生の大人な語り口には、「ガッテン!ガッテン!ガッテン!」しか押せませんでした。

(ちなみに、これも落ちでよく使われますが、下位20%の首を切っても、残った組織内で、また新たに2:6:2の構造が生まれるのもパレートの法則の罪深いところ)


本書で引用されているハーツバーグの二要因理論
 ・仕事そのもの
 ・達成感
 ・認めてもらえること
 ・成長感
のような、やる気を高める因子。仕事や達成感は当事者だけで精製できそうだけど(内発的動機)、成長感や認めてもらえることは、客観的存在が欠かせないので、当事者だけでは無理。この「成長を実感できる」「認め合う」というのが、これからのチームの存在意義になるんろうなと感じます。


最後に。

メンバーが自発的に行動し、緩やかに連携しながら、組織の発展に貢献する場ってどうやって作れるんでしょうか。
やらされる、という外発的動機ではなく、「やりたいんだ」という内発的動機に切り替えるターニングポイント。

個人的には、それは「動機を発露してもとりあえず受け止めてもらえる」場の安全性なのかなと感じました。各人が迷子になっても「どうした?」「どうした?」と指差し確認できる安全地帯。頼れる母港。寄港地がないと大航海はできませんものね。

ということで、チームは大事にしましょう。
ごちそうさまでした。
 二〇年前は、顧客からの問い合わせに対して、一週間ぐらいかけて返答してもよかったように思います。一〇年前でも二〜三日の猶予があったのではないでしょうか。ところが現在、二〜三時間で返答しないと顧客を失うような状態になっています。
 そうなると、マネージャーをつかまえて意思決定を仰いでから返答するのでは、競争力を失ってしまいます。顧客に接する最前線のメンバーに意思決定の権限を移譲し、主体的な判断をしてもらう必要が出てくるわけです。
 また、これほど変化のスピードが速いと、一年先がどうなっているかは、ほとんど予測不可能です。ですから、企業では詳細な目標を立てることが難しくなりました。
 企業の組織は、年度の初めに事業計画のようなものを作成します。そこには、達成すべき売上げや利益の目標数字が記され、それを四半期、月次に分解した目標数値も書かれています。そして、それを実現するための施策が、事業方針のような形で書かれています。実際に期がスタートすると、組織のメンバーには、その数値目標を実現すること、あるいはそれを上回ることが求められます。
 以前は、この事業計画が細かければ細かいほど、実際の業績が見通しに近ければ近いほどよしとされました。しかし、変化の激しい現状では、一年先を見通した正確な計画書など作成できるわけがありません。いくら情報を分析しても、想像を超える変化が半年単位、一ヵ月単位でやってきて、計画書通りにはいかないのです。
 そこで、先のことがわからないのに詳細な計画書をつくるのは時間の無駄なので、年度の初めに大雑把な目標を立てるだけで、マネージャーの負担を減らそうという企業も出てきています。(p34-35)




*お金で人は動かない
 多様な人が集まれば、それぞれ価値観が異なります。そしていま、多くの人が、組織内での出世や報酬額では勣機づけされなくなってきています。
 これは、フレデリック・ハーツバーグ氏が五〇年も前に「動機づけ衛生理論」で提唱したことで、いまに始まったことではありません。
 にもかかわらず、一九九〇年ごろから多くの企業が導入した成果主義による人事制度では、「業績結果に見合う報酬を与えることで、メンバーのやる気を高めることができる」という考えがまかり通っていました。
 ハーツバーグ氏の理論が発表されて以降、報酬額がやる気に影響するという調査データは、いっさい見つかっていません。私か担当したいくつかの企業における、社員や管理者の意識調査でも、給与がやる気や業績と相関するというデータは出てきませんでした。
 こういう「マネジメント伝説(根拠がなく、しかも誤っているマネジメントにおける″常識″)」は結構多いように思います。人は信じたいことを信じるのでしょうか。
 ハーツバーグ氏は、やる気を高めるのは「仕事そのもの」「達成感」「認めてもらえること」「成長感」だといっています。(p44-45)




 かつては、上司や先輩から、リーダーシップのとり方や管理の仕方を学習してきました。過去から学んだやり方で、たいていはうまくいったのです。
 しかし、現在のような状況では、正解はわかりませんし、誰かが答えを知っているわけでもありません。だからといって何もしないわけにはいきませんから、組織の一部の人間が問題を特定して、改善のための施策をつくり、メンバーにその実行を促すわけです。
 ただ、これでメンバーが思うように勣いてくれるかというとそうはいかず、施策の意味を理解することさえ拒否するかもしれません。そこで、何がなんでも実行してもらおうと、管理統制を強化すると、メンバーの抵抗はさらに強まり、信頼関係も壊れ、組織の雰囲気は暗くなっていきます。
 これまでは専門性を高めることが重要だとされてきましたが、その枠組みも壊れてしまいました。スペシャリストという言葉に魅力がなくなってきたのです。一人だけでやれることは少なくなってきましたし、専門的な知識や技能だけで高い成果を生み出すことが難しくなってきたからです。そういう専門的な処理業務は、アウトソーシングされる傾向も高まっています。
 最近の人材開発では、「スキル」という言葉よりも、他にない、高い成果を生み出すことを探求し続ける「プロフェッショナル」という言葉が流行っています。
 スペシャリストの頭数が集まっても、一足す一が二にさえならないことが多々あります。組織のマネージャーなら誰でも、一足す一が三や四の力になることを願うでしょう。
 組織のメンバーが、自分の成果のことだけ、あるいは自分の組織の都合や業績だけを考えていては、この先やっていけません。一人の力や一つの組織だけでできることには限りがあります。人や組織がバラバラな取り組みをしていたのでは、現状を打開できないのです。
 だからといって、昔ながらの集団主義で対応できるかといえば、そうはいきません。昔の組織ではよかったやり方が、いまの時代では通じないのです。(50-51)




*多様な尺度での二対六対二
 これまで業績という尺度による二対六対二ばかりが強調されてきました。が、本当はさまざまな尺度での二対六対二があるはずです。知識のある人の二対六対二、優しい人の二対六対二、音楽のうまい人の二対六対二など、多様な尺度による、それぞれの強みや持ち味が、組織という生命体の力を高め、存在を安定化させているのではないでしょうか。
 さまざまな強みの組み合わせによる相乗効果が発揮できたら、組織力も高まり、そこで働くメンバーも幸せなのだと思います。単に業績だけの尺度で判断され、自分の強みを認められないのは不幸なことです。
 人は、自分がつくり出したお金や地位、モノなど、外側の尺度で判断されるのではなく、自分そのものの内面の尺度で認められるほうが幸せだと思います。
 人がすべての面で完璧になる、すべての面で100点をとるというのは、先ほどのパレートの法則でいうと効率の悪い努力です。自分の強みの二〇%を高めることで、八〇%の成果を生み出すほうが効率的です。
 組織のメンバー全員に100%の完全さを要求するのではなく、その人のどこがレベルの高い二〇%にあるのかを調べ、そこを伸ばしていくほうが組織にとってもプラスですし、本人もやりがいや幸福感を感じるのです。(p68-69)




 アメリカでは農作物の三分の一をミツバチによる受粉に頼っていて、その品種は100種類におよぶそうです。日本の養蜂業者が管理する飼育箱は、一人二〇箱から四〇箱ですが、アメリカでは一人で1000箱を管理します。それを大型トラックに積んで、一週間単位で全米を移動します。農家は、養蜂業者にお金を支払ってミツバチを借りるのですが、ミツバチ不足から野菜価格の高騰が起きる危機感が高まっているそうです。
 ミツバチ失踪の原因として考えられているのは、ミツバチの生態系を壊したことによる免疫力の低下です。
 アメリカでは、インドや中国の成長によってアーモンドの需要が増え、その結果、アーモンド畑が五キロ四方に広がるような状況になっているそうです。
 ところが、ミツバチは三〜四キロぐらいの範囲でしか蜜をとらないので、ミツバチはアーモンドの花の蜜ばかりを一週間食べ続けるようになります。単一の蜜ばかり食べたミツバチは、免疫力が低下し、いろいろな蜜を食べたミツバチの寿命が五〇日のところ、半分の二五日になるそうです。(p70-71)




*「やらされ感」をどう払拭するか
 今日のように複雑性が高まっている状態では、一部のステークホルダー(関係者)や、経営層などのトップの一部の人が目的や施策を考え、それによって組織全体を動かそうとか、難しい問題を解決しようとしてもうまくいきません。
 一つの理由としては、前述のように正解が見えづらくなったことがありますし、もう一つの理由は、それぞれの立場や背景、価値観が異なるため、なかなかやる気になってくれないということがあります。
 繰り返しになりますが、組織のメンバーが主体的意思を大事にするようになったため、トップダウンで降りてくる指示や命令には、やらされ感が生まれがちです。そのため、魂を入れて真剣にやろうという気にはならず、それを無理にさせようとするには、相当な圧力をかける必要があります。
 しかし、こういうプレッシャーマネジメントは、最初は成果が出てくるように見えますが、徐々にメンバーの中に疲労感が高まり、半年か一年すると成果が下がってくるようになります。
 ですので、経営層によるトップダウンをやめ、組織の垣根を超えて、横串を通す形で「クロスファンクショナル・チーム」というミドル層を中心としたプロジェクトチームを形成し、そこで問題解決に取り組み、施策を生み出す方法をとる企業もあります。
 これは、チームに参加したメンバーの主体性が高まり、大変元気になって、素晴らしいアイディアが出る効果があります。いくつもの施策が生み出され、白分たちの組織のさらに下にいるメンバーに投げていくようになるわけですが、そうなると、組織の下のメンバーたちは、やはりやらされ感に陥ってしまいます。

*ボトムアップがうまくいかないわけ
 では、ボトムアップで施策を出すのはどうかというと、現場の最前線で考えたことを組織の上位層に上げて、承認を得るというのは、大変なエネルギーを要します。
 メンバーのエネルギーの八〇%は社内向けに消費され、顧客に向けるエネルギーは二〇%に過ぎません。やたらにエネルギーがかかる理由は、組織のメンバーが察知した感覚や、こうしてみたいという想いを、経営層が理解できる言葉に翻訳しなければならないからです。
 現在は、未来が見えず、適応解で試行錯誤を行うしかありません。しかし経営層は最適解を要求してくるため、最適解と、それを実現するための完璧な計画を作文する必要があります。
 斬新なアイディアは、当然のことながら、まだ誰も実現していないので、うまくいく証拠は存在しません。しかし、経営層はどうしてもリスクを減らそうとし、証拠を要求しがちです。その結果、よその企業がやってうまくいったことしか提案できない組織文化が形成されます。
 ボトムアップがうまく機能するためには、経営層に相当な柔恢性とリスクをとる覚悟が必要なのです。(p77-80)
スポンサーサイト
COMMENT









Trackback URL
http://8ru.jugem.jp/trackback/496
TRACKBACK