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2年間分からなかった
「低血糖症」という病気
[2015/06/20追記:あまりにもこの記事へのアクセスが多いので、ちかいうちに闘病記のつづきをアップしたいと思います。今は低血糖症状は治まり、より症状の軽い自律神経失調症の治療に専念しています。低血糖で苦しんでいるアナタ、希望を捨てないでください。今は別の症状で苦しんでますけど、(一時的かもしれませんが)ぼくは低血糖症状から回復しました]

体調が決定的に悪化したのは2010年9月の深圳でのこと。

体調その他の近況について」にも書いたとおり、当時取材で訪れていた華南は30℃をこえる猛暑日の連続。そんななか上下ヒートテックをはいてお腹と背中にカイロをべったりはって、それでも冷や汗がだらだらと流れてくる。固形物が喉を通らない。栄養ドリンクや漢方スープを飲んで細々と栄養を補給する日々。そんな状態で一ヶ月ほどがんばったものの、さすがに命の危険を感じて帰国したのが同年10月。

当時やっていた市場調査では目立った収穫もない、向こう2ヶ月に予定していたスケジュールは全てキャンセルしなくちゃいけない――成田空港の夜景を見たときに情けなさと悔しさで機内の片隅で涙が止まりませんでした。しかも機内に流れていたのは台湾民謡の「望春風」というこれまた涙を誘うノスタルジックな曲。忘れることのできない苦い思い出だったわけですが。。
帰国をすると体調はさらに悪化の一途をたどり、同年末頃には半寝たきり状態に。

これだけ体調を崩していながら、原因はサッパリ分かりませんでした。
内科で一般的な採血をしても、免疫科の顕微鏡で血液を覗いてみても、漢方医学に照らしあわせてみてもわからない。でてくる検査結果は全て「良好、正常値」。あなたが考え過ぎなんですよ、とお医者さんに訝しげに言われてしまう始末。くそー、そんなはずないだろ!

結局、色んな病院を巡り歩き、肉体的にも精神的にもヘトヘトになった後になぐさめ程度に門をくぐった心療内科(※1)で40項目におよぶ精密な血液検査をうけ、そこでやっと症状の原因が「低血糖症」であることがわかりました。じつに2年間近く、原因が分からない状態で苦しんだことになります。

なんで「低血糖症」が各種検査にひっからなかたのか。

※1
なるべく薬に頼らず、認知行動療法で治療を試みる善良な医院です。おかげで錠剤漬けにならずにすみました。興味のある方はコチラ
低血糖症とはどういう病気なのか

一言でいうと「生体システム」のトラブル。一定期間、極端に食事をとらなかったり、糖分過多の食事を続けた場合に発症する生活習慣病の一種です。軽症時は慢性的疲労感、冷え性、震え(動悸)などの症状ですみますが、重症になると精神錯乱や昏睡に陥ります。いずれもホルモンがその主原因です。

車を使って説明してみます。

車はガソリンをエンジンで燃やして走ります。ガソリンがないと走りませんね。ガソリンがなくなってくると空調やラジオをとめてガソリンの消費量を減らしたり、長距離運転を控えるようになります。ガソリンが少ないのに無理をして運転を続けるとガス欠でエンストをおこしてしまいます。あとはJAFのレッカー車を待つほかありません。

人間の身体も同じです。

人間の身体はブドウ糖(血糖)を各細胞のミトコンドリア(TCA回路)で燃やして動きます。ブドウ糖がないと動きません。ブドウ糖がなくなってくるとホルモンをだしてブドウ糖の代謝をあげたり、最低限の生命活動以外の活動を控えるようになります。ブドウ糖が少ないのに無理をして行動を続けるとホルモンが出まくって血糖値が不安定になり最後には血糖値の危険水域を下回った状態になる、すなわち「低血糖」状態になります。

低血糖状態が悪化するとでてくる症状は下記のとおりです。



書いてあることは「ふーん、こんな症状わたしだって経験してるわよ」的なレベルに思われるかもしれませんが、実際に経験すると一つひとつの症状がかなりのヘビー級であることが分かります(後日、書きます)。

血糖の調整を司るのは主に膵臓と副腎です。

副腎は血糖を調整する以外に自律神経を整えたり、抗炎症・抗アレルギーのホルモンを出します。血糖調整に力がとられると、その他の機能に手が回らなくなり、結果として肌荒れや関節炎などをひきおこしたり風邪にかかりやすくなったりしてしまいます。

身体は血中のブドウ糖濃度が薄くなってくると血糖値を上げるカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)というホルモンをだしてブドウ糖の代謝をあげようとします。
アドレナリンは強い興奮作用があり、多量に分泌されると精神に異常をきたすこともあります。ノルアドレナリンは強迫観念、自殺願望、抑鬱などを引き起こします。また血管を収縮させるため、冷え性や冷や汗などの原因ともなります。

これらのホルモンが分泌されると上記の通り様々な症状が出現するわけですが、心臓や肝臓など臓器そのものにはすぐに影響はありません。なので、一般的な検診で身体を調べても身体そのものは「良好、正常値」となるのです。


そうなんです。低血糖症とは特定の『臓器』が毀損して症状をおこすのではなく、栄養不足を補うために発動する血糖調整の『システム』によって症状をおこす病気なのです。

次のエントリーで、カテコールアミンの過剰分泌でどれほどの地獄を味わったか書きたいと思います。
あと、もっと低血糖症について勉強したい方は、下記「低血糖症と精神疾患治療の手引き」を読んで下さい。ネットでも一部が読めます。





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