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Design the World_4
勝手にレールがひかれてってる
感じがするんです
ぼくはそれをただ受けとっていく
関 太郎(Taro seki)

Q:どんなことをしていらっしゃいますか?
 
ぼくは、合気道を教えながら、「縁旅」というのをやっています。合気道は埼玉に道場が3つ、神戸に2つ。道場の運営は現場のスタッフがやってくれているので、ぼくは巡回しながら指導しています。生徒もそうだけど指導する側にも教えますよ。教え方のちがいですか?原則はまったくおんなじ。伝える方法が少しちがうんです。どう違うか?

例えば、ふつうのひとだったら
 
「ひくだろなあ」と思うことも
 
言っちゃうんです


相手の想いが真剣だから、ぼくもそれに比例してアドバイスをする。互いを引きだしあうのを意識しているから驚きはありませんよね、むこうも。
具体的に?最近だと、東京にいままでとはちがった形の合気道の学校をだす、という話がある。4人のスタッフが、「やりたい!」と手を挙げてくれました。それで、相談があったんですね。――どうやって学校を運営していけばいいですか?そのときおもったんです。ただ返事をするんじゃなくて、かれら自身のなかにあるものすごいやる気・想いの強さを気づかせよう、まだ潜んでいるマイナス部分も同時にみさせよう。で、「よし山に行くぞ!」とつれて行きました。直感なんです。突然、山だ!と(笑)。登っていくと崖が。リーダーが極度の高所恐怖症で、なかなか前に進めない。このままだとゴールにいけない。日も暮れちゃう。
「・・・・・・登りたい?」
「はい!」
「・・・・・・じゃあ登ってきてください」
「はい!」
けれど、リーダー、登ってこれません。意地悪だから、ここでききます。
「・・・・・・東京の学校もこれっくらい大変だと思いますよ?」
「はい!」
そうすると、シンクロがおきてくるんです。
 シンクロ1)リーダーも一緒に山を登りきる=彼らが東京の学校を成功させる
 シンクロ2)ぼくがいまここでするアドバイス=東京の学校にたいするアドバイス

ぼくが考えること――1時間以内にケガさせずに全員を登らせて、おろすこと。「登りたいです!」「道場もやりたいです!」と本人はいう。でも、『登れないだろう』とリーダーも周りのみんなもおもっているんです。崖の中腹にガシッとしがみついて、時間がたつにつれて、リーダーは自分のなかの自分と向き合うことになる。「あなたは登りたいんですよね、だけどあなたよりも大きな意識が登りたくない」というんですよ。
「・・・・・・のぼって?のぼれる?」
はじめは、彼は自分に「お願い」するんです。それが、ちょっとずつ言葉遣いが変わってくる。「・・・・・・動け!」「動け!」自分に命令しはじめる。
「ぜったい、大丈夫ですから。」とぼくらは声をかけつづけました。背中に手をおいてあげて。すると彼の命令が愛の命令に変わってきて。体の機能、心のトラウマがどんどん解消されていく。そして、どんどん登っていくんです。命令することが悪いという認識がかわってくるんですね。自分の動かなかった心が体を動かす。でも、その勢いで最後までもっていかない。登らせてはおろす、登らせてはおろすをくりかえして、気持ちの確認をしながら登らせました。最後は全員が無事に登頂して・・・。
こういうのも彼らが真剣に問いを求めてくれたから、応えることができたんです。

そんなこんなで合気道を指導しながら「縁旅」をやっています。縁をたよりに1000人のひとと会うというプロジェクト。会ったひとに紹介してもらって次の方と会う。ぼくのなかにある「縁」をたよりに旅していくんです。それを繰り返して現時点で、約100人のひとと会いました。


taken by Daniel Montesinos

Q:きっかけはなんでしたか?

縁旅のきっかけは、お風呂にはいっていたときにふとおりてきたんですよ(笑)。順をおって説明すると・・・・・・ぼくは、1円のお金ももらわないところから合気道の道場をはじめて、どんどんじぶんの夢・想い(※1)を実現させてきたんです。どれっくらい「なにもなかった」かっていうと、約1年間、お米を食べられなかったくらい(※2)。そこから一つひとつ築いていったんです。道場も最後は200人くらいになって。

そんな「人生絶頂じゃん」
 
というときに突然倒れた



もう、突然。死ぬんだなとおもいました、正直。よく「プラスにおもったらいい」っていうけど、おもえるわけないじゃん!というところまでいったんです(笑)。そこで、いろんな先生に相談するんですけど、みんな「やりたいことをやってください」という。――なんだそれ!?ぼくはこれまでやりたいことをやってきたのに!でもね、素直になってやりたいことを紙に書き出してみたんです。そうしたら、いままでやってきたことの延長線上のものしか紙に書けなかった。全部じぶんが経験したものばかり。「もっと、もっと」の世界だったんです。
・・・・・・これはまずい。まったくあたらしい、自分の「やりたいこと」をみつけないとこれまでのまんまで終わってしまう。体はしびれるし、内臓はけいれんするし、呼吸ができなくなる。そんな恐怖と戦いながらお風呂にはいっているときに、ふとひらめいた。

1000人のひとと会ったらどうだろう?

これまでは目的があってひとと会ってきました。あえて目的をもたないで無作為に会おう、って(※3)。こけたときには、絶対になにかつかんでたちあがってやるという思いと、今度こそもうダメかもしれないという思いの葛藤がある。その葛藤のなかでいくつかイシをひろいました。縁旅はそのひとつなんです。

※1
合気道をひろめるんだ!って夢と希望だけでがむしゃらでしたね
※2
お米は道場生の寄付、おかずは賞味期限切れたのをもらって、あとは畑でとれたじゃがいもを主食にして・・・。ビールはおろか、発泡酒すら買えませんでした。だからお米食べながら「お金ないんです・・」なんていうひとをみると、お前貧乏してないじゃん!っておもってしまうんです(笑)。貧乏っていいんですよ。そこにはいっぱい夢とか希望、可能性があるんです。そういったのって、貧乏のときの方が見つけやすいですよね
※3
いまおもうと、目的をもってるときは自分で一生懸命レールをひいてるようで、レールはひかれてなかった。目的をもたないとレールはむしろひかれていくんです。なんで「レールがひかれるのか」ぼくもよく分からないんですけど。やっぱり、自分で考えることより宇宙が考えることのほうがおっきいんでしょうね。縁旅があるから、こうしたインタビューもうけてるわけですし



Q:やってみてどうですか?

ぜんぜん価値観が変わりましたよ。まず、「じぶん」がみえました。いろんなひとと会うんですけど、若い子とかわけわかんないんです、最初。いきなりメールがきて、名前もなにもなくて――いま何人?――っておい、まず名乗ってよ!って(笑)。だけど次の瞬間、いやいや、ちがうちがう。メールを見た瞬間に自分は相手をはじいてしまったけれど、世の中にははじかないひともいるじゃないか。よし、まずは受け入れてみよう。「名前を教えて?」ときいて・・・。会って、インタビューツアーの意図を伝えて、相手の話をきいて、それでやっと人数を教えたんです。その子とのやりとりを通じて、はじいてしまっている自分を強烈に感じました。はじいちゃうと、気づきの機会はどんどん少なくなっていってしまいます。

人間って、自分にとって居心地のいい環境を
 
作っていこうとしがちですから、いつのまにか
 
「気づく」ことができなくなっちゃうんですよね



それって可能性をせばめちゃう。

それから、自分ってなんにでもなれるんだなって。いま、ぼくは道場長としての立場にすごい責任を感じてるんですけど、縁旅のときは「なにものでもないワタシ」としていくんですね(※4)。つまり、だれもぼくのことを「道場長」と認識しない。――道場長です、っていうとそういう目でみられちゃう。――プー太郎です、っていうとそういう目でみられちゃう。「なにものでもないひと」でみられるのって、おもしろいです。相手との対話の内容で自分が形作られていくから。話す内容によっては、いつもの自分とは違う自分になる――なんにでもなれるじゃん!とおもえてくるんです。
縁旅をつづけてると、自分でレールをしいている感覚ってまったくなくって、勝手にレールがひかれていってる感じがするんです。ぼくはそれをただ受けとっていく。はじめは無条件に1000人と会おうとおもったんです。そこからルールやレールがあとからできてきて、どんどん進んでいったんです。

※4
仕事きかれても別れ際まであえていわないようにしていて。どんなに偉いひとでも、トレナー着ていくんです



Q:ふつうだったら、安定した環境を作りたいし、自分の予測できる範囲内で行動したい。なにかに挑戦することは怖いとおもう。なんでいまの活動をやれてるんですか?

大学のときに空手をやってました。ある日、薪をバンバン叩いているときにふとおもった。――僕、就職しなきゃいけないんだ・・・・・・。そしたら、すーんごいこわくなって、薪が叩けなくなったんです。そのままその場に立ちつくして、1時間くらい考えこんでしまった。「これでオレの人生何十年ってきまっちゃうんだ。いまって人生の決断のときなんじゃないか」そうおもうと、薪の前に立っても恐怖で叩けない。

「安定」することにたいする恐怖、そして僕は「不安定」という安定を選んだんですね(※5)
「不安定」がいいってわけじゃないですよ。どういうことかっていうと、ちょうどバイクで走っているときの「安定」、これがぼくが選んだものです。止まっちゃうとこけちゃうでしょ?止まってもいいけど、そんときゃ足着けよ、という感覚。バイクって、スピードをだせばだすほど安定するじゃないですか。一度っきりの人生だし、スピードあげてどんどんチャレンジしていきたい。もちろん35才という年齢だからこその発言で、これは健全だとおもっています。もっと年を重ねていくと、この考え方も変化していくんでしょうね。

「満足」「もったいない」「ありがたい」「もうしわけない」というのが、いまの自分におもうこと。強迫観念の「やらなければ」ではなくて、「おーし、やるぞー」という気持ちで自分がもっているもの全部を有効利用したい、能力も場所も。有効利用のやり方も縁旅をつづけていくなかで、すこしずつわかってきて。ぼくで止めてしまっているものがたくさんある事に気付きました。それを、もっと周りに流さなきゃと感じています。

※5
で、有機無農薬の農業を始めました。農作物を売るときにすごく苦労したんです。「有機無農薬」の認知がひくかったから、変な宗教とおもわれたりして。普通の野菜との違いを話すところからはじめて



Q:今後の目標はなんですか?

冒頭で話した東京の学校、これをつくること。時代の変化に振りまわされないために心に芯をたてる。あえて期限を4年にきって、個人のなかに軸をつくる合気道の学校なんです。「軸をもつ」って大事ですよね。ぶれない軸をもっていれば、求心力でたくさんのなかから自分にとって有効な情報を選択できます。遠心力がついて自分から情報を発信することができます。この力って国際化していくこれからの時代にすごく強みになるんじゃないか。これも、生死の境の葛藤からひろってきたイシなんです。
これまでは、「じぶんをのばす」という修行だけでした。倒れたあとに強烈におもったのは、自分はなにも残していなかった、ということです。道場、ぼく中心で運営したいたがゆえに、自分がいなくなるとうまく運営されないことに気がつきました。娘にも妻にもなにものこせていない。

ああ、「伝えていく」ことを
 
本当にしていかなきゃいけないな、って



とにかくワンマンだったんですね、昔は。いまは全力でひとを育てていくぞ!とおもっています。ひとにやらせることをネガティブにとらえるんじゃなくて、大切なことなんだとおもって、やる。東京の学校はその表現のひとつ。これからは「育てる」ということがメインになってくるとおもいます。結局、それも修行なんですね。




☆関 太郎(せき たろう)
高校時より合氣道を始める。
国際武道大学入学 在学中は、ボクシング部所属。 空手、古武術などを研究。合氣道は町道場や各流派の道場に通う。
卒業後は、世界を見るためバックパッカーとして、インドやアフリカなどを旅する。 合氣道開祖の「武農一如」の精神に触れ、体得すべく有機無農薬農業の研修を経て、友人と農園を構え、自然界の営みを知る。
2001年、結婚と同時に埼玉県蓮田市に、多くの友人達と合氣道関道場蓮田道場を出す。
2003年、埼玉県岩槻市に皆の力を合わせて、合氣道関道場岩槻本部道場を設立する。
2003年、草加カルチャー教室に、合氣道の講座を受け持つ。 2007年、人生を変える不思議な体験をし、自己の文武共の再修業を開始する。 同時に家族で神戸に移住し、埼玉の道場と神戸との往復生活が始まる。夫婦のパートナーシップを大切にし、講演会や合氣道講習会に夫婦で日本各地を巡る。
2009年、芦屋に関合氣アカデミー神戸校を設立。
同年、死を感じる体験をし、自分の今までの体験と自分自身を世の中に活かすべく、 2010年・5月、東京に関合氣アカデミー東京校を開設する。
日本全国に「氣を学び、自分にしっかりとした中心(柱)を身に付ける」をモットーとする関合氣アカデミーを展開するべく、精力的に活動中 。


関合氣アカデミー
http://seki-aiki.com

縁旅ブログ
http://ameblo.jp/1000project



Design the World_3
○か×かじゃなくて、なにをじぶんはやりたいのか
――その想いをもちつづけることだよ
恵良 隆二
http://8ru.jugem.jp/?eid=209


Design the World_2
目のまえのものに真摯にとりくむことが、
着実に「常識」をかえていくんだと思う
湯川 伸矢
http://8ru.jugem.jp/?eid=199


Design the World_1
"I"を"We"にするための場づくり。
これがつぎの目標かな
嘉村 賢州
http://8ru.jugem.jp/?eid=179


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