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評価:
マット リドレー
翔泳社
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(1995-01)
コメント:なぜ男は一人でもおおくの女性と関係をもとうとするのか、なぜ女は一人の男性をもとめるのか――読むとわかる一冊。実は相続の裏には遺伝子の強力な吹き込みがある、なんていう事実は歴史好きのひとの興味もひきつけるかも
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これまで生物学で語られることのなかった男女のやりとりや社会現象を「遺伝子」という切り口で紐解く。なぜ男は複数の女性と関係をもとうとし女はひとりの男性にこだわるのか。なぜ中世ヨーロッパでは社会上位層が男子を残して女子を修道院送りにしたのか、逆に社会下層は女子を残して男子をまびいたのか――そこには遺伝情報を次の生命体につなげようとする遺伝子間の熾烈な競争が隠されていた。本書の題名はそのやむことのなくお互いを追いかけるように競争する遺伝子の姿を、鏡の国のアリスの「
赤の女王」ににせてつけられている。
いままでのなかで一番引用が多かった。下記と同じくらいの文量がじつは引用箇所として付箋がはられている。それくらい「ああ、こんなふうに言いたかったんだよ」というのがスッキリ文字に落とされている。著者は自身の中立性と「ただ事実を語っているのだ」と言い訳しているけれど
(※1)、訳者があとがきでかいているとおり、一部の女性には嫌悪感をもたれるような内容になっているかもしれない。
※1
この言い方そのものが、非常に「男性的」な物言いだなあとおもった