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18時に帰る「世界一子どもが幸せな国」オランダの家族から学ぶ幸せになる働き方
評価:
一般財団法人1more Baby応援団
プレジデント社
¥ 1,620
(2017-05-30)
コメント:オランダの労働環境・労働文化を調査した、そのレポート本。視点がミクロに寄りすぎていて、マクロの視点と掛け合わせた情報が欲しいな、と思った。それは次回作になるんだろうか。なんにせよ、18時で帰れてる人が世界に実在する、というのは希望があります。

オランダの働き方、生き方について調査した報告書。

調査したことをとりあえず分かりやすい形で手に取ってもらおうという意図で、おそらく本という体裁をとっていると思われます。あくまで実地調査した先から帰納した論理展開。個人的には、本で紹介されている構造の裏付けとなるマスデータの分析や、「18時に帰る」ことの代償、負の部分についてももっと知りたくなりました。

面白いと感じだのは、オランダ人インタビュー。
「税金が42%で、額面収入を上げてもお得感がない」という話が出てきたのですけど、「あまり働いても、税金で取られるから、18時で帰れるような仕事の組み立て方したほうがお得だね」と思えるようなインセンティブを社会に設けるのって大事だなと。

あと、折角調査したんだから、「らしいです」「のようです」のような推量口調でなくて「でした」「ということです」のような断定口調にしてほしかったです。推量口調だと「え、その発言の裏とってないの?」と読み手にモヤモヤを与えちゃうので。
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エリアリノベーション
評価:
馬場 正尊,Open A,嶋田 洋平,倉石 智典,明石 卓巳,豊田 雅子,小山 隆輝,加藤 寛之
学芸出版社
¥ 2,376
(2016-05-21)
コメント:東京R不動産の立ち上げ人である馬場正尊さんがまとめた、面白いまちづくりの事例集。

行政や大手デベロッパー主導のまちづくりから、「使う人」「住む人」発信のまちづくり。そんな生態系豊かな街の事例紹介です。4月に読んだまま、書評あげてなかった。。
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フランスの文化政策
芸術作品の創造と文化的実践
評価:
クサビエ・グレフ
水曜社
¥ 3,675
(2007-03-24)
コメント:「文化政策」をフランスがどうとらえているか――学術的にまとめた一作。博物館学芸員の授業ででてきそうなお堅い内容だけど、1つなるほどなと思うことが。「文化をいかに経済となりたたせるか、安易な観光地化が地元民の日常生活を破壊し、結果的に観光物の破壊にもつながる」という視点は新しいなぁ。

Design the World_3で取材させてもらったときに恵良さんからかりた一冊。インタビューと重ね合わせてよむとおもしろい。街造りを真剣に考えている人は、こんな視点からも勉強をしているんだな、と感心した。 
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街場の教育論
評価:
内田 樹
ミシマ社
¥ 1,680
(2008-11-15)
コメント:簡単に消費されてしまう「教育改革」ということばの無責任さ。 理想的な教育はいつの時代にも存在しないー教育に対する事実を真っ正面からみそらさずに、ひとつひとつ課題点を解決していく。その主体は私たち「国民」であり、ツールは現場の「教師」である。教師をたたいても

日本の高等教育はどうなっていくか、のくだり(97-105p)。専門性を磨くよう教育した結果、専門性を他の分野の人間と共有しコラボレーションする力が著しく低下、結局、専門性をいかしきれていない現状がある、という考察にドキリ。
以前聴講したカタリバ大学で宮台真司さんが言っていた「グループワークをする力が欠如している」ことだし、これからアップする“Design the World”でインタビューした嘉村賢州さんがやろうとしていることとリンクする。
「専門性」を相手につたえる力って、大事だよなぁ・・・。
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現代の貧困 ―ワーキングプア/ホームレス/生活保護
評価:
岩田 正美
筑摩書房
¥ 735
(2007-05)
コメント:日本における貧困に対して、関心から問題解決に至る具体的行動に誘発するために、貧困の洗い出しと項目分け、「貧困」をはかる基準(ものさし)について、言及したもの。学者先生の執筆だけあって、ほんとうに学問的な記述。要は、おもしろくない。。

 つまり、現代日本では、標準型から外れた人生を選択した場合、貧困のリスクが高くなっているとも言える。それは少しヘンではないか、と誰でも思うだろう。なぜ単身で暮していると、あるいはなぜ離死別を経験すると、貧困が多くなるのだろうか。
 もちろん、中卒あるいは単身生活、離死別などが、それ自体として貧困のリスク項目なのではない。こうした要素が今の日本社会では貧困リスクに転じているのであるが、これについての考察は少し後回しにしたい。
 先に引用した高齢者パネル調査の結果から、原田氏は、高齢者の貧困への転落要員は男女とも転職・離職などの就労の変動や最長職(一番長く就いていた職業)の種類との結びつきが強く、特に女性は低学歴であることや配偶関係が変化することと貧困への転落とが強く関連していると指摘している。
 現代日本の貧困は、バブルの崩壊やその後の非正規雇用の拡大を背景として増加してきたことは確かであろう。しかし、以上のことからも分かるとおり、就業形態や婚姻形態、世帯類型などが標準モデルから外れることと、貧困との結びつきが強いのである。しかも、離婚や単身世帯と貧困の結びつきは、女性のみならず、男性の場合にも見出されうる。(92-93)

ぼくの周りには、標準モデルの王道をいくものもいれば、率先して、標準モデルから脱却しようとする本著でいう「貧困予備軍」もいたりする。が、この未曾有の大不況にいたっては、標準モデルもほんとうに「標準」として残っていられるのか、わからなくなってきた。どんなにお金をためてもインフレがおこれば元の木阿弥だし、標準かどうかで人生判断をするより、「いまからやることが自分に課せられた使命かどうか」を判断軸に行動をしていったほうが、死ぬときに後腐れがなさそうだね。
階級社会
評価:
ジェレミー シーブルック
青土社
¥ 1,995
(2004-07)
コメント:「それで十分(enough)」という発想がもはやグローバル経済のなかで成立しなくなったことを表している。(中略)ニュースエコノミー(通信事業)の側に立って理路整然とした議論を展開した労働組合指導者はこう述べた。「英語の中で最も美しい言葉はmore(もっとそれ以上)である。」(文中より) グローバリズムと社会との葛藤、そのハザマで生まれる階級のお話。

人々の生活に決定的な影響を与えたものといえば、それは資本主義の、特にその生産能力のイデオロギー的力である。資本主義は二〇〇年間にわたり、一つの公約を掲げてきた。貧困の撲滅と比類なき富の獲得である。貧困の撲滅は程遠いにしても、比類なき富の獲得のほうはまさに実現した。まさにこの富裕から、奇妙な新しい貧困が出現したのである。欲求不満の意識が人々の心の底で育まれた。それは、単に貧困生活者や社会的弱者のなかだけの話ではない。グローバル・システムが供給する際限のない商品の山を前にして、すべての人が貧しさを感じている。北アメリカやオーストラリアの富裕階級はごく普通に「我々にはとても手が出ない」と不満を口にする。彼らはかつての支配者や王侯がまねのできないほどの贅を尽くした生活をすでに送っているというのにである。「それで十分」という言葉が死語になった時代には、どんな富者も満足という言葉を理解できなくなっているのである。(121-122)

いまや広く認められていることだが、衰退する労働からの解放は実現可能であり、また望ましくもある。労働を抑圧したり搾取したりする必要性がもはや世界のことにも存在しないことは明らかである。だが、資本主義のシステムにとって、これを認めることは考えられない。なぜなら、際限のない労働が不可避であるという原則のうえにシステムは立脚しているからである。そこで、「労働せよ、労働せよ、もっと労働せよ」。根拠のないこの要請が続けられなければならない。その方法とは、「過度労働によってのみ、目の前の眩いばかりの商品をすべて購入することができる」という考え方で人々を縛り付けておくことである。(95)

前著『レジャー社会』で私はこう書いた。「われわれとしては、この社会の自発的な「仕事中毒」を考えてみればよい。……仕事へ献身の度合いは、かなりの規模の国家予算を超える額を動かしていると言われる多国籍企業に勤めるビジネス通勤者の超過密スケジュールを見れば分かるかもしれない。彼らが出張で泊まるまったく同じような豪華ホテルや、彼らが罹る時差ボケや、避けられない接待による二日酔いなどは、彼らがイギリス製品を売り込んだり、会合に顔を出したり、輸出拡大に努めたり、注文を追いかけたり、市場を開放させたり、売り上げを記録したりといった仕事の一部に含まれている。彼らが退屈そうに席に着く高級レストランでは、重要な仕事が行われている。会社がシーズンのあいだ借り切っているオペラ劇場のボックス席での夜毎の接待、会社所有のヨットや会社所有の緑に囲まれた大邸宅を使っての口うるさい外国人バイヤーのもてなし、雨上がりのゴルフコースや上品な高級クラブで行われる潜在的な顧客に対するご機嫌取り、将来のために、あるいは商品や株式市場のために投じられる膨大なエネルギーは三十五歳前に人を燃え尽きさせてしまう。これはどれをとっても、甚だしい過重労働であり、それほどまでの労働が人に強いられていることに対して恐怖と同情を呼び起こさないではいないある種の犠牲的行為である。」(96-97)

先日参加したパンゲアの講演の中で、講師の方がおっしゃっている言葉がひどく印象的だった。曰く、「「国際」という言葉を使うときに英語には2種類の表現があります。“inter-national”と“groval”。違いは、互いの固有性を認め合うかどうか、です。“inter-national”はそれぞれにnationがあり、それをinterでつないでいることが分かります。つまり、お互いの違いを認識したうえで繋がる、という意識が垣間みえます。では“groval”はどうか。これはアメリカ式の土俵の上でアメリカ式のルールに則って、持つ者も持たざる者も、さぁいっしょに勝負をしましょう、ということです。つまり、“groval”な世界観は多様性、固有性を認めない性質があります」
すると、アメリカ人が得をしているかというと、前述のように、そういうわけでもない。欲をかきたてる資本主義のループで、他のグループより大きく踊らされているに過ぎない。ふむ、なるほどなぁ。。
犬と鬼
評価:
アレックス カー
講談社
¥ 2,625
(2002-04)
コメント:日本研究の最先端にたつ、アレックス・カーが記した『日本』の現状。日本がなぜ、これだけGDPを稼げるようになったのか、その仕組みを間接的に説明すると共に、その仕組みがしはらう代償がいかに大きいものか直接的に統計・データをもとに暴く。 土建、環境、情報、官僚制、芸術、教育など、各方面からスポットライトがあたっていて、代償の姿をリアルに映しだしている。

JUGEMテーマ:アレックス・カー

なぜ、自分をふくめた若い世代が「夢」や「希望」を抱けないのか、社会全体を覆う閉塞感の原因はなんなのか―日ごろ、ちゃんとは意識しないけど、違和感を感じさせる「空気」の発生源がわかる本。

アレックスに会う前に、ちゃんと読んどけばもっと深い話ができただろな、と悔やまれる。アレックスの凄いところは、本著で書いてある諸問題に対して、目をそむけることなく取り組んでいることだ。実際に活動の一歩をふみだし、歩みつづけることは、相当に難しい。約40年前に祖谷にであってから、継続して活動しているアレックスの意志の硬さにあこがれてしまう。

さぁ、僕も発信発信。行動をして、発信 しよう。