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利己的な遺伝子
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評価:
リチャード・ドーキンス
紀伊國屋書店
¥ 3,024
(2006-05-01)

ちょっくら時間ができたもんだから、未公開設定になっている書きかけのブログを整理していたらでてきたエントリー、その2。1年半前の書評なので、これも正直あんまり覚えていない。
以下、当時の書きかけ文をそのまま引用。

======written on 2013.03.01 Friday=======

進化にたいする学術的アプローチの一作。
かなり専門的な本なので覚悟をもって何度も読み返すことが必要だ。すくなくともぼくには・・・。まだあと3・4回読まないと理解が届かないと思いまふ。

読んでいて「あれ?じゃあ意思の所在ってどこにあるんだろう。意思=量子の波の総体?だったら、意思が個体によってことなるのは?」といくつか疑問が出てきた。
 
しかし、「利己的(原文:selfish)」という題名がそうとう物議をかもしたようで。
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ヤル気の科学
「今年は○○です!」と年初に立てた目標、「ぜったいに痩せるからね」と固く誓った決意。しばらくすればいろんな理屈や理由を見つけてきて諦めてしまうのに、なんでぼくたちはこうも簡単に目標を掲げ、そして失敗を味わってしまうのか。本書ではコミットメントという気ワードをもとにその仕組みを解き明かそうとしている。
・・んだけど、実際に読んでみると「どうなんだろう?」という内容。
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代替医療のトリック
評価:
サイモン シン,エツァート エルンスト
新潮社
¥ 2,520
(2010-01)
コメント:鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、アロマセラピー――世の中にごまんと存在する代替医療は本当に効果があるのか。「なんや、うさんくさくてしゃあないな」と少しでも思ったことがある人は読んでみよう。臨床試験の検問をくぐらせてそれぞれの効果の程をしっかりと本書は検証しているぞ!

科学的根拠にもとづく医療をめざす現代に、巷にあふれる代替医療ははたして本当に効果があるのか検証した本。ホメオパシーカイロプラクティックなどなど。なんか怪しいしほんまに効果あるんかいな、とふだん疑問に思っているひとにはオススメです。

おもしろいのは本書を批判している代替医療関係者のおおくが非常に感情的になっていること。じぶんの既得権や努力の結晶を結果的に否定されてしまうわけだからさもありなんといった反応なんだけど、その反応も含めて著者が厳格に比較・分析し、批判していることをこのひとたちはしっかり読み取ったんだろうか(まあ、読み取っていないんでしょう)。
 もしあなたが科学の力に懐疑的な人であっても、せめて第犠呂脇匹鵑任澆討發蕕い燭ぁB茘犠呂鯑匹濬えるまでには科学的方法の価値に納得し、以降の章の結論を受け入れてもよいという気持ちになってもらえるだろう。
 しかし第犠呂鯑匹鵑任發覆、科学が代替医療の効果を判定する最善の方法だとは思えないという人もいるだろう。そういう人は科学が何を言おうと、自分の世界観を手放す気はないのかもしれない。「代替医療はどれもこれもクズだ」という確固たる信念の持ち主もいるだろうし、逆に、「代替医療はあらゆる痛みや病気を癒してくれる万能薬だ」と言って譲らない人もいるだろう。本書はそういう人のための本ではない。科学的方法で真実を判定できると考えるつもりがまったくないのなら、第犠呂鯑匹爐海箸砲垢薜嫐はない。実際、もしもあなたが代替医療について、すでに確固たる意見をもっているなら、本書を書店に返し、代金を払い戻してくれるよう頼んだほうがよいかもしれない。すでに答えをもっているなら、たとえ何千件という研究から引き出された結果であろうと、今さら聞く意味はないだろう。(16p)

と冒頭にしっかりと書かれているのにね。
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究極の免疫力
評価:
西原 克成
講談社インターナショナル
¥ 1,680
(1998-12-01)

現行医療が対処療法に終始して根本治療ができない構造的問題の指摘、難病といわれる病気の原因、口呼吸・冷たいもの中毒・骨休め不足の弊害、具体的な治療事例がざっと書かれている。
東京大医学部病棟でおおくの臨床現場にたちあってきたなかで感じた臓器別医学の限界。医者は目の前の症状の緩和にしか興味を示さず、症状の根本原因を解決しようとしない。医学の本当の目的はなんなのか。自問自答の末、医学研究を重ねていった先に著者がであったのは「ミトコンドリア」だった。
アトピー、ガン、白血病などの症状がなんで発生するのかを(かなり)専門的な説明で解説してくれる。事前に下記を参照のこと。
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フェルマーの最終定理
―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまでー
評価:
サイモン シン
新潮社
¥ 2,415
(2000-01)
コメント:哲学と歴史が好きで数学がきらいな学生がいたら、これを読むとよい。なんてったって、フェルマーの最終定理をさかのぼるとみえてくる数学の歴史とは、この世の中をどう認識するかというストイックな「哲学」そのものであるんだから。

赤羽橋でお世話になったもりな宅の本棚にあった一冊。
最近、物事をとらえるのに「数字」て便利だなとおもっていたら、この本に出会った。遺伝子と進化の関連をかいている「赤の女王」といっしょに読みすすめていくと面白い。進化にまで足跡を刻むなんて、「数字」は万能の哲学のようにおもえちゃいますな。
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クマともりとひと
日本くま森協会の誕生物語、「クマともりとひと」。

もののけ姫に共感したひとなら、絶対に読んだほうがいいよ、と強くおすすめする。


 いま、日本の学校がうまく作動しません。このことについて、学校が悪い。先生が悪い。みんないろいろ言いますが、実はだれも悪くないことがわかりました。日本の学校が成り立たなくなったのは、世の中があまりにも豊かになり過ぎて、子どもたちが、どんな努力をしてでも獲得したいと思うような崇高な志をもてなくなったからです。
 高い志を持った瞬間から、子供というものは、勉強しろなんて言われなくても、どんどんし始めることを知りました。いじめ問題もなくなりました。(31p)



これって、子供だけでもないような。「志」をもっているかどうかは、付き合う上で、ものすごく重要視していたりする。大儀のある人間は絶対に裏切ることも怠けることもない。いつもがむしゃらで誠実なんだよね。



赤の女王
性とヒトの進化
評価:
マット リドレー
翔泳社
---
(1995-01)
コメント:なぜ男は一人でもおおくの女性と関係をもとうとするのか、なぜ女は一人の男性をもとめるのか――読むとわかる一冊。実は相続の裏には遺伝子の強力な吹き込みがある、なんていう事実は歴史好きのひとの興味もひきつけるかも

これまで生物学で語られることのなかった男女のやりとりや社会現象を「遺伝子」という切り口で紐解く。なぜ男は複数の女性と関係をもとうとし女はひとりの男性にこだわるのか。なぜ中世ヨーロッパでは社会上位層が男子を残して女子を修道院送りにしたのか、逆に社会下層は女子を残して男子をまびいたのか――そこには遺伝情報を次の生命体につなげようとする遺伝子間の熾烈な競争が隠されていた。本書の題名はそのやむことのなくお互いを追いかけるように競争する遺伝子の姿を、鏡の国のアリスの「赤の女王」ににせてつけられている。

いままでのなかで一番引用が多かった。下記と同じくらいの文量がじつは引用箇所として付箋がはられている。それくらい「ああ、こんなふうに言いたかったんだよ」というのがスッキリ文字に落とされている。著者は自身の中立性と「ただ事実を語っているのだ」と言い訳しているけれど(※1)、訳者があとがきでかいているとおり、一部の女性には嫌悪感をもたれるような内容になっているかもしれない。
※1
この言い方そのものが、非常に「男性的」な物言いだなあとおもった
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その数学が戦略を決める Super Crunchers 
Why thinking-by-number is the new way to be smart
評価:
イアン・エアーズ
文藝春秋
¥ 1,800
(2007-11-29)
コメント:直観主義者たち、用心召されよ!本書は目もくらむほど多様な「絶対計算」物語を詳述し、それを実現させている人々を紹介する。絶対計算は、野球だけの話でもないし、スポーツだけの話でもない。人生のその他すべてについての話である。(23p)――文中より

JUGEMテーマ:ビジネス書


――あっ、ラピュータが雲からでてきた!という気持ちでよみすすめた。
ガリバー旅行記」で著者のスウィフトは当時のイングランドの科学者先生を皮肉るため(※1)にラピュータをつくったけど、絶対計算者からしてみればイングランドの科学者先生はラピュータの住人ではない。せいぜい、パズーがのっていた小飛空挺乗りくらいがいいところだ。それくらい、絶対計算のものすごい破壊力といっさいの感情をそぎ落とした合理性が数々の事例からみいだせる。
インパクト盛りだくさんなので、ぜひかって読まれることをおすすめるるが、しかし。引用がおおくてなかなかレビューにこぎ着けられなかった・・・・。また一年後に読み返さないと。


※1
おえらい学者先生ってのは、自分が相対する「命題」の複雑さをいかに解き明かしたかに興奮しがちだけど、それってぜんぜん生産性がなくて、自己満足のちっちゃい世界のおままごとにすぎない場合があるじゃないですか?ほとんどかな?
――現場はちっとも状況改善しないのに、やれ世界の心理が見えた!だの、やれ問題は複雑であるといったって・・・・・・それってどういう意味があるんぞな。あんたら、なんの役にたつんやね?という皮肉を、「ラピュータ」でスウィフトはいっておるわけですな。
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逸脱するエロス
評価:
森 省二
講談社
---
(1990-08)
コメント:1980年代のポスト高度成長期、なんだか「幸せ」の感覚がぼやけてきて、「きもちいいけど、なにか不満足」という世相を背景にでてきたんだろうな、という作品。著者がフロイトの優等生だったのか、その当時流行の心理学の専門性にかたよったモノの見方が随所にでてくる。

エロスっていつも「逸脱」だよね。本のなかでも書かれていたけれど、「逸脱」の概念は相対的だからあんまし気にしなくてもいいかも。たとえばスパルタの軍隊は年長者と年少者の男のパートナーで構成されていたけど(※1)、いまなら「同性愛」ということばで片付けられるし、平安時代のお歯黒だって、いまじゃあ趣味の悪いフェチズムにカウントされちゃう。どうします?かわいいなとおもって口説いた女の子と、いざ雰囲気が良くなって横によったときに彼女が笑って、・・・・歯が黒かったら(笑)

しかし、文章全体から心理学者のマッドサイエンティックな臭いと1980年代の各種書籍に性が解放されてきた時の薄暗い湿っぽさがにじみ出てくる。フロイトって人がどんな人間なのか判断するために、彼の著書をちゃんとよまないといけないな。

※1
戦場で男同士がお互いに背中を預けながらたたかう―腐女子が喜びそうなシチュエーションだけど、当時のギリシャはまさにそんなシチュエーションが最盛期だったんだよね。アポロンとかナルキッソスとか、はたまたアレキサンダー大王とか。枚挙にいとまがない。まぁ、愛の形はいろいろでいいと思うし、だれかに強制するものでもないけど。
脳と日本人 
評価:
松岡 正剛,茂木 健一郎
文藝春秋
¥ 1,800
(2007-12)
コメント:とてもよかった

概要はこちら


以下、読書の気付きを掲載。書いてみて思ったけど、これ、公開の意味あるのかな。

■p7
生命体の本質はそもそも情報高分子だし、生きているというのは、負のエントロピーを食べて非線形的なふるまいをすることですからね。
【ポストイット】
エントロピー」ってなに?

■p8
もったいないよね。それらの「あいだ」をつなげて、底に新しい関係を発見しなくちゃね。
【ポストイット】
洛西さんとのおしゃべりではじまった、「マジカルマジカルバナナ・ゲーム」と同じことを言っている

■p26
スタンド・アローンと言ったのも、そういう意味なのです。
【ポストイット】
攻殻機動隊でいう「stand alone complex」とどうつながるのか

■p30
人間は、自分より前にあるものを想定する癖があるのじゃないかと思います。
【ポストイット】
聖書ヨハネの福音書にも「初めに言葉ありき」と書いてある。自分より前のものの遡った先の執着地点であり、僕らの始まりは「言葉」をつくったときになるのだろう

■p31
『古事記』ができたのは8世紀の初めですが、当時は、中国から入ってきた漢字以外に文字がなく、縄文以来の日本語(倭語)をそのまま文字として定着させるための統一した方法がなかったわけです。
【ポストイット】
現代の日本を、古事記の時代と同じように全く違う別の言語で表現するとどうなるだろう。目的にあわせて、言語の特性を鑑み、使うということは可能か。たとえば、ロジックを語るときは英語とか。

■p38
村上のスーパーフラットを見るためには、作品と対峙するのがいいですけど、でも、それはアメリカのポップアートの画家のリキテンシュタインや、葛飾北斎や東洲斎写楽などの浮世絵を見たときとポンポンとつながったっていいわけです。マリリン・モンローを作品にしたをホールだって、村上以上にスーパーフラットですよ。
【ポストイット】
スーパーフラット」ってなに?

■p55
ところで、現代アートの内藤礼さんとは個人的に親しい友人で、作品もよく見ているのですが、あるとき、「彼女の作品は日本語を母語にしている人じゃないとつくれないな」と言う思いに至ったのです、優しさに満ちた感じで。
【ポストイット】
内藤礼」さんをWEBでチェックしよう

■p90
錬金術師のパラケルススは、「自然発生」を用いた方法で、身長十二インチのホムンクルスをつくったと主張しました。実は、そのホムンクルスという言葉は、脳科学と深いかかわりがあるのです。
【ポストイット】
鋼の錬金術師の背景を探る上で興味深い

■p92
そういう「社会脳」ができちゃったのかもしれないね。
【ポストイット】
この場合の「社会脳」は、攻殻機動隊2nd CGIで草薙モトコとクゼが何度も口にする「集団的無意識」と同じ?

■p115
つまり、日本は、中国にあったものを変えて日本化させてしまっている。再編集するのですね。
【ポストイット】
鉄砲の大量生産と実践投入のスピードの速さは、この場合の「再編集」といえるだろう。では、現状の諸問題も、海外の最先端技術・文化の再編集と言えるのか。外に新しいものがなくなったときに、日本は何を「再編集」できるのか

■p92
「うつ」というのは「空」のことだとお書きですが、
【ポストイット】
うつがこれだけ問題になったのは何処に原因があるのか。人間の精神が相対的に弱くなったから顕在化した問題ではなく、人一人の許容処理量を上回る情報の無秩序さと、無制限に個人に上が注ぎ込まれる現状が、人をパンクさせ、「うつ」にさせるのではないか

■p187
それにパッチを当てると
【ポストイット】
パッチ」ってなに?

■p190
マルコヴィッチの穴
【ポストイット】
マルコヴィッチ」ってなに?

■p209
神の「もどき」をすることが、日本の芸能の原型でしょうね。「能であって能でない」と言われる『翁』という演目は、神の「もどき」の原型です。
【ポストイット】
「翁」をチェックしよう

■p206
繰り返しはトートロジー(同義反復)じゃないんだよね。
【ポストイット】
風塵雷神図とつながる

出典:脳と日本人(松岡正剛、茂木健一郎)文藝春秋