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中国と台湾
対立と共存の両岸関係
台湾のアイデンティティってなんだろう

という疑問が少なからずゆるくなった、この本を読むことで。
本書の流れは台湾と中国本土に存在する軍事的緊張関係を当事者がどうとらえて利用しているのか、台湾、中国、日本、米国の利害関係者の腹の内を各種広報資料から読み解くことで成り立っている。

当然っちゃあ当然なんだけど、要人の発言や現地紙の紙面をとおして台湾内部を冷静に見つめてみると「台湾独立支持派」が台湾の一般論でないことはよくわかる。
以前読んだ小林よしのり(よしりん)の「台湾論」には李登輝金美齢の考えがまるで一般的な台湾識者の見解のように書かれていたけれど、まあ事情はそう単純じゃないんだよなあ。

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国家の崩壊
読む前に欧州歴史のおさらいを

まず最初に言っておかなければいけないことは、本書を正確に理解しようと思ったらヨーロッパの歴史をかなり詳しく把握している必要がある。それも字面や年数だけをさらっと知っていればよいレベルではなく、ひとつの事件にたいする背景や各勢力の事件前後の変化を把握する必要がある。すくなくとも下記事項はおさえたうえでお読み下さいまし。


 ・三十年戦争戦後協定

 ・フランス革命第一帝政までの政治変遷

 ・ロシア革命〜第二次世界大戦終結、
  特にコミュニズムとファシズムへの理解 ※「ロシア革命の神話」を参照


ウエストファリア条約とかトルデシリャス条約とか、高校のときに勉強した内容がでてきました。受験直後の新大学生ならすらっとよめるかも。


ポジティブな「国家の崩壊」


題名の「国家の崩壊」とはネガティブな意味での崩壊ではなく、次世代社会への兆しとしてのポジティブな崩壊を意味する。
外交とは徹頭徹尾、交渉相手を理解することだと筆者は述べている。孫崎氏の「情報と外交」でも述べられているようにやはり交渉相手がいる環境にとびこんで、おなじニュースをみ、おなじ食べ物を食べ、おなじ生活環境にくるまれて初めて相手を理解する入り口に立てるということ――フィールドワークの大切さを改めて感じた。これってビジネスでもいえるよね。
「中国はけしからん」
「インドは日本とちがって・・・・・・がなってない」
海外に行くと日本をおしつけて見当違いな不平不満を日本人村の門のなかで吠えている日本人をみかけるけど、そんなひとたちにすすめてあげたくなった。

しかし、外交関係者の本ってなんでこうももったいつけて話をするんだろう。。。
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情報と外交
評価:
孫崎 享
PHP研究所
¥ 1,575
(2009-10-22)
コメント:著者の留学時、外務省勤務時の経験から紐解いたintelligenceの重要性を説いた一作。

 GPに講師として来ていただいた孫崎亨さんの一作。15秒で報告せよ、というのは確かに!という考え方。独自の情報機関を持てないわけ、自衛手段を持てないわけ、がわかる。
 しかし、アメリカによって国体が換骨奪胎され、「国益」を認識するためのアイデンティティーも、認識した後に国際社会で発言し引導するための裏付けになるための軍事力を持たない我が国が、いかにして独自の情報機関や軍事力を身につけられるのか。そのシナリオが聞いてみたいところだ。twitterで聞こうかな。。
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日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて
評価:
孫崎 享
祥伝社
¥ 840
(2010-09-01)
コメント:有事の際は米国が守ってくれるにちがいない――なぜそんな幻想を日本人がもつにいたったのか。核の傘に日本が入っていない事実、米国は日本を守ることを義務宣言していない事実をわかりやすく解説。

 非常にタイムリーな一作。北朝鮮から韓国領内に砲弾がうちこまれたけれど、もし日本におなじように砲弾がうちこまれたら、米国は守ってくれるの?自衛隊はどうなるの?国防は?外交は?という疑問に答えてくれる。

 先週のGPで講義をしていただいた孫崎さんの著書。戦略をもつことの重要性と思考のフレームワークは理解できた。戦略を立案・遂行するうえで欠かせない「将来像をイメージし、信じきる」ことが弱いという日本人の国民性をいかに克服するか――できればここまで論じてほしかった。
 イギリス、アメリカにはカルヴィニズムが、中国には共産主義が、ヨーロッパにはローマの再現。各国がそれぞれに確固たる「未来の青写真」をもっている。じゃあ日本は?第二次世界大戦で大東亜構想という錦の御旗を否定された我が国が、国家像をたくせる核となる青写真にはなにがあるのか。なにがあるのか。なにがあるんだろう・・・。

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「独裁者」との交渉術
評価:
明石 康
集英社
¥ 756
(2010-01-15)
コメント:カンボジア、ユーゴスラビア、そしてスリランカ。世界でおこる紛争を解決すべく、国連で陣頭指揮をとってこられた明石さんのインタビュー記事。「ああ、なるほど」となるにはちょっと前提知識が必要かな。

昨日お話をうかがった明石さんのインタビュー本。すこし前提知識が必要だけど(※1)、国や民族レベルの利害の取りまとめを第一線でしているひとが、こんなに粛々と目の前にでてくる問題に誠実にとりくんでいた、という事実は驚きだった。なんか、こう、もっと華々しい人間ドラマがあるのかなとおもったけど、明石さんの口調はあくまで穏やかだ。いや、もちろん、その口ぶりから透けてみえる数々の交渉には、波乱万丈の人間模様がみえかくれする。

※1
具体的にはカンボジア、ユーゴスラビア、スリランカの紛争の前後情勢について。「おまえ、そんなことも知らんのか!」はい、すみません...。
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