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Re-Editing World -再編集する世界- Project
Global talent interview_3
匡揮戈(Huige kuang)
日本コンサル企業でスーパーバイザー(バックオフィス)業務 → 日系金融機関で調査分析・コンサル → 中国政府系で誘致担当
取材日:2010/09/30
取材場所:広州匡氏宅


Q:いまどういった仕事をしていますか

広州開発区という国家級の開発区で、主に日本企業の誘致を担当しています。たとえば、進出にあたってどんなことに注意したらよいか、他地方(※1)と比較したさいのメリット・デメリットはどんなものがあるのか、適応できる優遇政策はあるか――サポート範囲は幅広いですね。

ぼくは前職の銀行員時代につちかった人脈と社内専門部隊から情報を収集してお客様に誘致提案をしています。

銀行や会計事務所、日本にある○○協会、日中貿易センター、商工会、JETRO、領事館など――情報収集のパイプもさまざまです。
いまの会社はもともと政府系企業だった関係で、誘致をすると国から奨励金がもらえます。もらった奨学金をつみたてて、いろんな分野に投資をはじめました(※2)

※1
たとえば東莞や深圳などの広東省北部などが競合地域になりますかね
※2
企業誘致はあくまでビジネスの呼び水。単価が安いですから、単純なコンサルティングだと中国ではもうけがすくないんですね。
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封建騎士団と傭兵部隊の闘い
日系企業がアジアで直面する人事制度の障壁

ランツクネヒト
1486年にマクシミリアン1世によってスイス傭兵を教師にして編成されたヨーロッパ(主にドイツ)の歩兵の傭兵。ブルゴーニュ公国をめぐるフランスとの紛争の中で、マクシミリアンは自分の歩兵部隊の必要性を痛感し、組織したとされる。このランツクネヒトの登場によって、まだ決定的なものでないにしてもそれまでの騎士を中心とする中世ヨーロッパの戦争のあり方が徐々に変わっていった。三十年戦争でも戦い、彼らが大活躍したからこそ戦後のドイツの人的、経済的被害は壊滅的になったとも言われている。(Wikipediaより出典)


中世ヨーロッパにおいて、戦争の主役は騎士団だった。封建領主たちは自身の利権(※1)を保持するために王家に臣従する。王家は権威によって各領主たちの財産を承認し、その対価として戦時に従軍を強要する。この相互関係のなか、農村からあがってくる利益を収奪する社会システムが機能していた。
しかし、有輪鋤や三圃制などの農地改革により人口が増加し、スイスのように農村に未就業者が蓄積されるようになった16世紀頃になると、戦場に動員される兵士数は激増し、平民出身の傭兵が重要な役割をはたすようになる。何十キロと重たい鎧を身にまとい、えっちらおっちら馬で駆けめぐる騎士団よりも(※2)、片手に剣、片手に火縄銃をかかえて戦場をうごきまわる傭兵部隊のほうが機動性が高く、集団戦が主流になる戦場で幅をきかせるようになってきたのだ(※3)

傭兵は名誉にこだわらない。「○○伯」「○○大公」なんてものは身分がちがうから土台なれない。傭兵はカネがかからない(※4)。戦争があれば徴兵すればいいし、戦争が終われば契約を解除すればいい。給料は日払いだ。

傭兵には優秀な人間があつまる


なんてったって、かれらは着の身ひとつで戦場をわたりあるくため、死亡率がたかい。騎士のように、だれかが身代金をはらってくれるわけでもない。結果的に、優秀な人間しかのこらない仕組みが「傭兵」家業のなかに醸成されていった。かちのこった傭兵も、専門分野をもったほうが給金をおおくかちとれるから、各分野でのプロフェッショナルになる。
ランツクネヒトはそんな傭兵部隊のなかでもとびきり最高の戦闘集団としての評価をほしいままにしていた。そのランツクネヒトがいま、アジアで大活躍している。

※1
人頭税とか貢納・使役の義務とか、高校の世界史で「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」の図と一緒に習った記憶が・・・
※2
コナンドイルの「白衣の騎士団(原題:White company)には当時の騎士の感覚が綴られていて興味深い。いまの感覚でよむと、「コイツら、ふざけんじゃねえよ!」ってくらいかれら騎士の世界観が歪曲していて一方的なので。
※3
日本もおんなじだなと。中世になって、足軽(ある意味傭兵)が大量投入させるようになると戦場の様相が変化した。織田信長の軍事的アプローチは近代フランスとおなじ常備軍の創設だったわけだけど、この侍→足軽→常備軍のながれで日本史をながめるのも面白いかも。今回は脱線しません
※4
待機中にじぶんの領地内で悪さをするコストを考えると、実際にはそんなべらぼーに安くなかったとは思う。でも、騎士団がかかえているプライド(自負心)にかけるランニングコストと比較すると、それなりのお求めやすい金額で雇用できた。期間中の人件費と設備費だけはらえばよかったから、お得感があったんだろう。騎士を雇用するさいに必要な称号も、接待も、身代金の用意もしなくていいんだから
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アジア人材活用の試み
秋(とき)は中小企業にあり!
連日報道される円高のニュース。輸出産業は大打撃をうけ、海外への工場・研究開発拠点の移転の是非が、いまおおくの経営会議で交わされている。拠点を海外に移すとなった場合、どのような戦略をえがけばいいのか、どのような運用が望ましいのか――経営層が直面する問題は多種多様だ。今回は、香港を拠点に東アジア全域の進出支援をされている、Hopewill groupの堀氏に、海外展開をするうえでの人材活用についてお話をうかがった。

Q:アジアでビジネスをするうえでまず何に気をつければよいでしょうか

いい現地パートナーにであえること、これにつきます。あやしげな自称現地通ではダメで、現地に10年以上根をはったパートナーです(※1)。弊社でご相談をいただくと、まず現地の感覚とお客様の認識をすりあわせることからはじまります。認識のすりあわせがあってやっとビジネス展開、となる。
よく、「現地企業と取引して騙された!」と聞くじゃないですか。話をよくよく聞くと、騙されたんじゃなくて、コミュニケーション不足のなか、日本の常識をビジネスにあてこもうとして、あてこめなかったケースがおおいんです。現地企業は騙すつもりはサラサラない。あなたたちがコチラのことをわかっていないんじゃないか――という感覚なんです。

日本の常識を日本以外で
 
あてこめようとしないこと



とても重要なことですね。
よくご相談いただくのは、中国に生産拠点をつくりたいというもの。それから、対中ビジネスをやるんだけれど、そこから、対アジアビジネスにひろげるための戦略的な拠点をつくっていきたいというご相談。中国で会社をつくってしまうと撤退撤収が難しい、上がった利益を限定的にふりわけざるをえない――じゃあ、中国の会社を子会社にするのか、孫会社にするのか、などなど。
製造業だけではなく、飲食、教育、サービス、多種多様なセクターからお声がけいただきます。みなさんに共通していることは、日本に成長エンジンがないんで、外に活路をもとめるという点。日本を蔽っている停滞感のせいか、ほんとうに特定のセクターにかたよっているわけではなく、日本経済全体からご相談をいただいているという印象をもちます(※2)

※1
現地企業よりもわたしたちのような日系で現地化している企業に相談をもちかけたほうがよいかもしれません。現地と認識のすりあわせができていないと、当然、現地商習慣もわからないわけで。そんな状態で現地企業とやりとりをするのはハードルがたかいとおもいます。「根をはった」というのは、その企業が地方政府などの関係機関に直接連絡をとっているかどうかということ。どこかに連絡業務をなげていそうな企業は注意したほうがいいでしょう。日本人を一番騙すのは、日本人ですから。弊社はわたしをふくめ、現地に10年以上いるようなスタッフばかりです
※2
「えっ、こんな業態の方が海外に目をむけないといけないんだ」というご相談もあって。日本の土着型ビジネスも日本以外を見ないといけない時代なんですね
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80后、90后と対話せよ!


目にして驚いた。はじめは上海、つぎは深圳。広州でもおなじ光景に遭遇した。
「ここってほんとうに中国なの?」
失礼な物言いだけどそれくらいビックリした。中国といえば四六時中生き馬の目を抜く雰囲気におおわれていて余裕のない社会だっておもっていたんもんだから。

若者が地下鉄でお年寄りに席をゆずっている

おばあさん、どうぞ座って――。途方にくれているお年寄りの手を、流行の服と髪型できめた男の子がひく。自分がさっきまですわっていた席にいざなう後ろ姿には、たしかにつぎの大国「中国」の未来がみえかくれしている。
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編集記

着々とアジアを南下しておりますが、「佃は最近なにをしているのか」「いったいどこにいるのか」というお声が多数ありましたので、簡単に行動の履歴をしるします。華南地区を巡ってきたなかで感じたことのコラムやインタビューは後日、順次公開していきます。
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Global talent interview_2
楊静
これまでのキャリア
インド系BPO企業にてアナリスト → 日系広告代理店にてディレクター → 日系企業にてマーケティング
取材日:2010/08/01
取材場所:人民広場


本人許可がおりなかったので、写真は別物を。取材した人民広場ちかくで課外活動をしている小学生たち

Q:ご自身のキャリアをどうかんがえていますか

30才の時に月1万元以上の月給をもらえるようになりたい。もちろん、もらえるならもっと(笑)。

40才にはセミリタイアする


実家にもどって、外国語の塾をひらくんです。平日日中は塾で働いて、それ以外は小さいときから趣味でやっていたアコーディオンを習う。そのときには子供がいて。いっしょにひけると楽しいでしょうね。
セミリタイアするまでは、マーケティングで「楊静の右にでるものはいない」といわれる領域にいきたいですね。そのために、マーケティングにふれる実践の機会をもうけることと英語学習に力をいれています(※1)。英語学習のきっかけは、グローバル企業がどんなブランドを経営をしているのかもっと詳しくしりたいとおもったから――――DELLやアップルのブランド戦略に興味があります。

※1
昨年から、スタッフ全員がネイティブの英語塾に通いはじめました
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中国人社員、活用の試み_2
昨今、急速に注目をあびている海外BPO(Business Process Outsourcing)。入力業務やコールセンターなどを海外に外部委託することをさす。日本でとりおこなっていた業務を海外でいかにして運用するのか。その鍵はやはり、「人材」に集約される。
東京と中国遼寧省大連市でBPO事業を展開されている、HuojinJapan株式会社(大連活今信息科技有限公司)の三好氏に、中国での人材活用についてお話をうかがった。


Q:中国ビジネスで、何に気をつければよいでしょうか。

「中国の統計はまったくあてにならない。役人が適当につくっただけで、信憑性ないでしょ」――中国の統計資料について・・・、と話題をふると話を最後まで聞かないで、さえぎってしまう中国通の方がいます。ちなみに、ぼくはちがう捉え方。統計データも幅でみれば、充分参考になります。ある指標をさぐっていくと、流れと世相が反映していることがわかります。

細かい部分をみるとつじつまがあいませんが(※1)
 
ざっくりみると大筋あっている



すごく面白い数字だなとおもったのは、大連市が毎年発表している平均人件費。」――中国においては「平均」をおうことは意味がない。だって相場がないんだから、といわれる(※2)。市全体だと平均給与水準は微増、でも平均人件費(※3)は5年間で倍増していました。自社はどうだったか。この5年間で特定の業務に支払っている給料は微増。つまり、給与水準や相場が全体的に上がっているわけではないことがわかった。でも自社のデータを5年分みくらべると平均人件費は倍になっていた。
ぼくの解釈は、より高い給与をもらえる労働者がふえた。高い給与をもらえる仕事にチャレンジできる機会がふえたんじゃないか。で、自社をもう一度みかえしてみると、やっぱりおなじ現象がおきている。5年前は1人しかいなかった高度業務従事者がいまは10人も。お客様の要求水準も高くなってきたし、「高度な仕事しかやりたくありません」という若者もふえてきた――この動きは顕著です。ここまで話したら冒頭の中国通の方も納得いくかもしれないけれど、だいたいは最後まで聞いてくれません(苦笑)。

※1
角度をかえてみればみえる。現実の事象と照らしあわせてみるとみえるものがある。マクロ指標ってそんなもんですよね
※2
同じ学歴、能力であっても会社によって初任給が3倍ちがう。同じ組織でも上と下でも十数倍ちがう。「20代後半で、○○産業の事務作業をやっていたら、いくらいくら」というのがあってないようなもんなんです
※3
企業が福利厚生とかも含めて、企業が払っている人件費総額
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中心に家族がある、という価値観

taken by tfpeng

先日、黒田さんを取材した際になんどか口にされていて、印象に残った言葉がある。

――この国(=中国)は『健全は』形で発展していく必要があるとおもいます

『健全な形』ってなんだろう。はじめてお話をうかがったときはよく意味をのみこめなかったこの言葉。滞在4日目にしてやっとその意味をじぶんなりに理解することになる。
理解できたのは晩ご飯時。ぼくが滞在していた住所は大連のなかでもありふれた住宅街で、ちかくに何件かレストランがある。おなかが減ったのでレストランにいくわけだけど、その日はなかなかお店にはいれなかった。(大都市の市内をのぞく)中国のレストランというのは、ほとんどがまだテーブル席。みんな最低でも2人以上で食事をする。だからぼくが独りで店にはいってテーブルにつくと「こいつ、独りなのか?」という目線をうける。だから、なかなか店にはいれなかったのだ。
その日もおなかの減り具合にたまりかねて結局入店し、テーブル席についた。ご飯を黙々とたべていると、ある家族連れに声をかけられた。「その飯、辛いか?うまいか?」にこにこしたおっちゃんがこちらをのぞいてきいてきた(※1)。で、おっちゃんの家族の食卓にまねかれて一緒にご飯を食べた。そのときに頭のモヤモヤが氷解したんだな。――黒田さんがおっしゃっていた『健全な』というのは「家族と一緒でありつづけること」なんじゃないか。

※1
その後、近所に住んでいることが分かり、街であうたびに挨拶を交わすようになった。後日談・・・
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中国人社員、活用の試み_1
リーマンショック以降、日系企業の業績回復を下支えしてきた海外市場。好調な業績の一方で、現地での人材活用について頭を悩ます企業もおおい。一般的に雇用流動性が高いといわれている中国人材をどのように活用し、企業と企業をとりまく社会の発展に貢献していくのか。これまでの事例をひもとくことはこれからの企業の人材活用を考えるうえで大きなヒントとなるであろう。JAL大連支店長で、大連日本商工会の元理事長だった黒田氏に、中国での人材活用についてお話をうかがった。

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大連理工大学の取り組み
中国東北部の理工系で非常に評価の高い大連理工大学。日本語がしゃべれる、というだけでなく将来の経営幹部をになえる人材を輩出していることから、近年、日本企業からの引きあいが特に増加している。なぜ、経営幹部を担える人材を輩出できるのか――日本語学部の李先生、孟先生におうかがいした。

Q1:貴校と日本語学部の特徴をおしえてください

特徴はおおきくふたつあります。

1)実践を意識した教育の歴史があるということ
2)入学時点で学生の英語・科学分野の基礎知識が非常に高いこと


1)実践を意識した教育の歴史があるということ

わたしたちには、1988年に機械工学部を対象にした日本語強化クラスを設立して以来、実践を意識した日本語教育に注力してきた歴史があります。その10数年の経験を土台に、2001年に日本語学部を創設しました。
近代の歴史を紐といてもわかりますが、大連は日本と様々な交流があり、中国国内でもとくに日本との結びつきが強い地域です。1980年代後半になると交流活動がさらに盛んになり、あるとき活動の一環で日本企業から相談がありました。

英語はもちろん
 
日本語ができる人材を採用したい



ちょうど大学改革の時期で、大連理工大学も自校の独自性を模索していましたから、日本語を専門科目として勉強させてみよう、となったんですね。当時は学部ではなく、「教育研究室」という教育部門を創りました。先生も7、8人程度で。機械工学の学生に5年間かけて教えるというカリキュラムにしました。最初の1、2年次に日本語の授業が集中的にある(※1)、2年後半から機械工学の授業数がふえてくるという内容です。

※1
それまでは1,2年次は英語の授業だったそうですが、各種調査の結果、言語を複数同時学習させるのは効果的でないという見解にいたり、日本語に集中するカリキュラムになりました
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