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サピエンス全史 下巻
評価:
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
¥ 2,050
(2016-09-08)

上巻よりも社会システムに重きを置いた解説。
富の未来(上・下)」なんかで言及されているので、トフラー大好きっ子にはあまり新鮮味がないかも。
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サピエンス全史 上巻
評価:
ユヴァル・ノア・ハラリ
河出書房新社
¥ 2,050
(2016-09-08)
コメント:ホモ・サピエンスの歴史。マッド・リドレー(生物学者)とかロミラ・ターパル(古代インド史家)とか、アルビン・トフラー(未来学者)とか読んでるよ、あまり新鮮味はないかも。

「私たちの祖先は自然と調和して暮らしていたと主張する環境保護運動家を信じてはならない」という著者の主張が、具体的な数値や事実を伴って展開されていて、「うむ、これは信じるまい」と思った。人類の環境にたいする侵略、みたいな文脈が他の本にない視点で面白かった。

生物学的観点から、社会の発展を考察するなら、本書と同時並行で「赤の女王 性とヒトの進化」を読むことを勧める。人間の社会が生物の進化の延長線上にあることがよくわかるから。

システムとして社会の発展を考察するなら、や「富の未来(上・下)」を読むことをお勧めしたい。

牧畜から農耕に社会が変容し、そこに文字・数学・官僚機構・法律が生まれて行く過程を知りたいなら、「南アジア史 1」「国家の起源と伝承―古代インド社会史論」がお勧め。場所は古代インドと限定されるけど、20世紀の思想家たちが掘り掘りした地域・領域なので、面白いことは請け負います。有名どころでいくと、マックス・ウェバーとかカール・マルクスとか、古代インド史を研究してます。
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毎日トクしている人の秘密
評価:
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PHP研究所
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(2014-09-12)
コメント:どう思考方法を変えれば、「いやだな」と思うことも前向きに捉えられるか、というのが書いてある精神アプリの一つ。精神論じゃなくて、精神科の臨床経験も踏まえての講話なので、腹落ちしやすい。ちょっとタイトルがミスリードのような気がするけど。

みきくんに紹介してもらった一冊。
文章内に何人も著者が尊敬する人が登場するんだけど、「本当にその人のことが好きなんだろうなー」と思わず言いたくなるくらい著者の愛を感じますw。
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ヴェーダからウパニシャッドへ
評価:
針貝 邦生
清水書院
¥ 1,080
(2014-08)
コメント:四大ヴェーダを紐解く前にまずこれを読もう!読んだら、「ヴェーダの思想 中村元」でリグ・ヴェーダからトライしよう!

とにかく引用が多くて死にそうだった。
内容については下記目次等を確認のこと。ヴェーダとウパニシャッドの入門書として良書(と言い切れるほどの知見はないんすけど)。
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武士道
評価:
新渡戸 稲造
筑摩書房
¥ 842
(2010-08-06)
コメント:言わずと知れた名著。外国人向けに書かれた本なので、西洋文化の引用が多く、若干、衒学的ととられるかもしれない。が、そこはご愛嬌。

「訳者まえがき」と「解説」とを読んでから本文に入っていくと、より理解が進む。
本文は当然といえば当然だけど、士農工商が定着した江戸時代末期の「侍」の有り様を観念的に定義しているので、本書をもってして、900年近く歴史のある「武士」の有り様が定義されるわけではない。

新渡戸も訳者も次のように認めている。
(新渡戸)
 勢力を増すデモクラシーの大きな潮流だけでも、武士道の名残を呑み込んでしまう力がある。デモクラシーは、いかなる形式、いかなる形態の独占集団をも認めない。しかるに武士道は、知性と教養という資本を排他的に所有する人びとによって組織され、道徳の等級や価値を定める一個の独占集団だった。(p190)

(訳者)
 筆者が特に納得したのは、「(武士道は)文字に書かれた掟ではない。せいぜい口伝によって受け継がれたものだったり、有名な武士や学者が書いたいくつかの格言によって成り立っているものである」という文章である。
 確かに江戸時代には、これが武士道だという書物はなかった。現在、武士道書として知られている書物も、武士道を体系的に教えるようなものではなく、多くは古い時代に武功をあげた武士の逸話集であり、簡明に武士道の心得を教えるものではなかった。大道寺友山の『武道初心集』のような書物が普及していてもよさそうなものだが、一部の地域でしか読まれていない。
 新渡戸は、武士道の源泉として、神道、仏教、儒教をあげて説明する。
 武士道を、仏教、神道、儒教を源泉とするものと分析したことは、それまでなかった視点である。西洋の学問を修めた新渡戸は、このように分析的思考ができることによって、武士道を体系的な思想の一つとして提出することができたのである。
 しかし実際は、神道の武士道への影響は限定的だった。神道の教義が形づくられたのは、武十道の成立よりはるかに下る室町時代である。
 仏教は、戦国の明日をも知れない世の中で、武士が自身の無常を悟るためには必要だった。その意味では確かに大きな影響を受けている。しかし仏教は、積極的に戦いに生きることを教えるものではない。
 むしろ武士道の源泉は、武士発生以来の「弓矢取る身の習い」という戦闘者に特有の倫理であった。これは戦いの中で形作られたものである。そして、その中で運命への諦観を教えた仏教の教義が、次第に受容されていった。統治者の学問である儒学が武士に影響を与えたのは、それよりもさらに後の江戸時代のことになる。
 新渡戸は、「弓矢取る身の習い」とされた武士の倫理、近世においてはしばしば「武士の一分」などという言葉で表された武士特有の名誉意識を取り上げず、普遍思想である儒学によって義や仁を説明する。
 儒教、とりわけ朱子学は、武士が為政者としての役割を果たすために必要とされた学問である。江戸時代前期の武士は、学問を軽視する者も多かったが、新渡戸が幼少時を過ごした幕末期には、武士子弟の教育は論語の素読から始まっている。こうしたことから、武士は儒教の感化を受け、非常に合理的な思考方法をとるようになっていた。
 新渡戸は、意識的に「武士の一分」を排除したのではなく、武士道を説明するために想起することがなかったのだろう。そのため新渡戸の武士道論は、儒教的色彩の濃い道徳思想になっているのである。(p205-206)

もう一点。第十四章「女性の教育と地位」で「婦」という感じを家庭的と解釈しているが、これは新渡戸の誤解である。婦という字は箒を持った女性の象形であるが、それは宗廟(祖先を祀る祠、古代政治の議会場)の管理権を示す政治的な文字であり、女性の地位の高さを表したものだ。実際に漢字が誕生した殷では女性に統帥権があったことが発掘調査で示されている。
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ひらがなでよめばわかる日本語のふしぎ
皇居で毎年、年初に行われる歌会始に「召人」として参加したこともあるヤマトコトバの権威の書。
全体的に感覚的、詩的な解釈が多いので、本に書いてあることを誰かに説明しようとしてもなかなか上手くいかないかもしれない。

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日本人の姓・苗字・名前
評価:
大藤 修
吉川弘文館
¥ 1,944
(2012-09)
コメント:日本人の名前に関する諸文献を網羅的に漁った良書。ここをポータルサイトに、沢山ある参考文献に飛んで行こう

日本における名前に関する本の中で、まず間違いなく一級書。
特に中世・近世(平安前期〜江戸時代中期)の名前の捉えられ方の変遷が事細かに描かれていて、とても参考になる。
圧巻なのは参考文献の厚さだ。この本を基軸にして、自分の興味が赴く範囲の書籍を当たってみるといい。
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日本語を遡れば神道がわかる 日本語と神道
評価:
茂木 貞純
講談社
¥ 1,512
(2003-12-23)
コメント:いろんな大和言葉のルーツを探る試み本。完全に由来を突き詰められないのは、著者の力量不足というよりも、大和言葉の性質によるものと思われる。

「大和言葉の勉強をしたい、おすすめ本を教えて!」という叫びに応えてくれたしっしー推薦の一冊。
どんな内容かは目次をご覧ください。短い一つの言葉でもいろんな解釈がある、ということを丁寧に解説してくれています。
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古代インド社会の研究
評価:
山崎元一
刀水書房
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(1998-06)
コメント:仏教が起こる前後の紀元前のインド社会がわかるガチの学術書。同著「古代インドの王権と宗教」とあわせて読むと、古代インド世界が概観できる

仏教が起こった紀元前6−5世紀のインド社会の概観を教えてくれる文献はないか?と思って、調べてたどり着いた学術書。各種バラモン法典や仏典・ジャータカなどの諸資料から、当時の人々の思想や暮らしぶりを概算して論じている。

マニアからしたらかなりの垂涎ものだけど、なにせニッチな学問の専門書なので値段がどえらく高い。たまたま県立図書館の閉架図書にあって、特別に借りて読むことができた。
以下、目次。引用したい箇所がたくさんありすぎて、文字お越しが負担になるから、スキャンしただけで、手元にデータを置いている。これからちょくちょく見返すことになりそう。


序章 3−26
 一、古代インドの社会史外観 3
 二、目的・史料・研究方法 18

第一章 奴隷制の性格 27−62
  はじめに 27
 一、仏典の奴隷記述 30
 二、『実利論』の奴隷法規 38
 三、ヒンドゥー法典の奴隷法規 45
  おわりに 55

第二章 雇傭労働者とその生活 63−100
  はじめに 63
 一、と 66
 二、仏典の雇傭労働者 71
 三、『実利論』の雇傭労働者 79
 四、ヒンドゥー法典の雇傭労働者 88
  おわりに 95

第三章 賤民制――チャンダーラを中心に―― 101−153
  はじめに 101
 一、不可触民制の成立 103
 二、チャソダーラおよびその他の賤民 112
 三、チャソダーラの生活 124
 四、チャソダーラとヴァルナ社会の成員 130
 おわりに 140
 付節一、後代の諸史料 142
 付節二、不可触民制の発達 148

第四章 都市とその生活――パーリ語仏典を史料として―― 155−180
  はじめに 155
 一、村・町・都市 157
 二、都市の構造 159
 三、都市の生活(一) 167
 四、都市の生活(二) 173
  おわりに 178


第五章 都市の商人――ガハパテイ、サッタヴァーハ、セッティ―― 181−209

 一、ガハパテイ 181
 二、ヴァーニジャとサッタヴァーハ 188
 三、セッティ 197
  おわりに 208


第六章 村落とその生活――パーリ語仏典を史料として―― 211−235


第七章 村落と土地所有――『マヌ法典』『実利論』を史料として―― 237−267

 一、「土地所有」をめぐる論争 237
 二、『マヌ法典』の村落と土地所有 247
 三、『実利論』の村落と土地所有 253
  おわりに 263


第八章 森林と林住族 269−298

  はじめに 269
 一、仏典中の森林 270
 二、森林と国家 281
 三、林住族と国家 290
  おわりに 296


第九章 シュードラ(一)――律法経、仏典、『実利論』を史料として―― 299−338

  はじめに 299
 一、シュードラの義務と生活 302
 二、シュードラの儀礼的地位 306
 三、シュードラと結婚 311
 四、シュードラと犯罪 315 
 五、シュードラへの転落と窮迫時の法 320
 六、仏典の社会とシュードラ 324
 七、『実利論』のシュードラ 331
  おわりに 337


第十章 シュードラ(二)――ヒンドゥー法典を史料として―― 339−378

 一、シュードラの義務と生活 340
 二、シュードラの儀礼的地位 347
 三、シュードラと結婚 357
 四、シュードラと犯罪 361
 五、シュードラへの転落と窮迫時の法 371
  おわりに 376


第十一章 ヴァルナ間混血の理論について 379−411

 一、律法経の混血理論 380
 二、『マヌ法典』の混血理論 391
 三、後期ヒンドゥー法典の混血理論 398


第十二章 カースト起源論――学説の回顧を中心に―― 413−449

  はじめに 413
 一、ヴァルナ間混血説 416
 二、職業重視説 418
 三、人種重視説 423
 四、アーリヤ人家族制度重視説 427
 五、先住民起源説 430
 六、宗教重視脱 432
 七、折衷説 439
 八、古代社会とカースト制度 441


あとがき 451
研究者索引 17
事項索引 7
英文目次 3
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インド・道の文化誌
「インドの道」というキーワードに引かれて取り寄せた一冊。ぼくの興味範囲は十六王国時代だけなので、「インド〈中原〉からのびる点と線 応地利明 19」を中心につまみ食いして読んだ。同コラム内にある主要交通ルート(紀元前6〜3世紀)の地図は大きな収穫でした。

目次は下記の通り。
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