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神様「正当性くれってたって……重いよー」
組織を機能させる「正当性」について、悩んでいる子羊に捧げる一冊。

とどのつまり、

組織構成員の「権威」にたいする納得が
重層的に積み上がらないかぎり、
どこが権威を発行しても、「正当性」は揺らぐよねー


というお話。

ミラノ勅令を出したコンスタンティヌス大帝とその息子、親族を殺しまくったコンスタンティウス。その殺戮から運良く逃れて、跡を継いだユリアヌス+ゲルマン皇帝時代、自然死よりも殺される皇帝が多かった3世紀、ローマの乱れっぷりが書かれてます。

政局の安泰を考えた時に、権威(統治の正当性)の発行元を「市民と元老院」といういつ裏切るかわからない人間から、アンタッチャブルな絶対神に変えることで、政権、安定するんじゃね?と期待したコンスタンティヌス。

神意には人間、逆らえない!
権威の正当性が揺るがない!

と、700年後の王権神授説の露払いみたいな現象が起こしたわけですが、けっきょく、コンスタンティヌスの「神様に権威もらったら、政権安定!万歳!」と叫んだチャレンジは失敗します。あとに残ったのは、より他者にたいして不寛容になった共同体ローマと、脱税や共同体責務から離脱したい人がなだれ込んで肥大化したキリスト教コミュニティー。

この統治の正当性。今もお隣の国々ではどうやって調達するか絶賛煩悶中なわけで。
洋の東西、古今を問わず、「正当性」とは根深い問題なんだなと改めて咀嚼です。

あと、偶像をかたっぱしからぶっ壊した歴史、ここにもあったんだ。。

ちなみに、コンスタンティヌスが水を引いたキリスト教コミュニティーも、だれが神意を正しく解釈してるのか、教義解釈ビーチフラッグバトルに突入し、言霊の強かったカトリックがしばらくチャンピオン。その後、カルバンやルターが出てきて、泥沼の宗教戦争へと突入していきます。正当性、業が深すぎる。

ご・ごちそうさまです。。
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次の破壊的イノベーションは、ブロックチェーンである
金融セクターの人とコアなブロックチェーン・トークをするときのネタ本に使えると思う。
たぶん。

これは本物の技術だ!

と著者が熱く語るくらい、本書の主眼はとにかくブロックチェーン。
ブロックチェーンが中核技術のBitcoinは、豚カツのキャベツ扱いです。
キャベツ美味しいけど。

ただ、第5章以下が、金融関係者向けのコアトークでそこそこハードです。コルレス銀行とかノストロ照合とか。注釈ついてるけど、テクニカルで、呪文感がすごい。。

日銀で法定通貨の電子化のプロジェクトに関わっていただけあって、「具体的に運用しようと思うと、〇〇な課題をクリアすべし」と、とにかく運用面を意識してブロックチェーンを解説しているのが本書の特徴。

2100万BTCという発行上限、リワードの4年ごとの半減の仕組みを知ると、Bitocoinは通貨にはならず、投機目的の金融商品(FX)になる、という著者の主張に強い説得力を感じる一方で、資産の保蔵先として、現在の法定通貨が今後も安定して支持されるかというとムムムな感じ。世界的な金余りで仮想通貨がバブったように、社会の「信用」はこれからも投下先を求めて彷徨うし、一連の暴投暴落で仮想通貨オワコン、というわけでもなさそうに感じる。

それから、各国中央銀行の取り組み。

銀行から預かった法定通貨を中央銀行が電子通貨化し、銀行間取引に利用させ、その日の終わりに回収、法定通貨と変換する、という仕組みは確かに銀行間取引コストを下げるなーと。特に海外送金などで、銀行の手数料が下がることに期待感が高まります。リップル・プロジェクトはじめ、どこが国際金融の送金プラットホームで主導権を握るのか今後の動きに注目したい。

あとは、読んでいてい、ずっと頭の片隅にあったのは、

これから、トークンエコノミーが
緩やかに重層的に広がるなかで、
既存の金融リテラシーの
どこを押さえておけば良いのだろう


ということ。

円やドルに信頼を持てないから、仮想通貨をもっている、という人たちは、上位1%が90%のコインを保有しているという早い者独占のBitcoinに、どういったインセンティブを感じて手を出しているのだろう。リスクヘッジとか、そのあたりのスタンス、超聴いてみたい。

もう一つだけ。

2000年にシンガポール中央銀行が法定通貨の電子化をしようとしたけど、決済端末を国内の隅々まで行き渡らせるコストが高すぎて断念。いまは、スマホ普及率がたかいので、そのインフラコストの壁を超えた、という話。
スマホ決済@中国のアイデアはたくさんの先例の上にあったのね、というのが新鮮でした。

ごちそうさまです。
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カール・マルクスは偉大な詩人だった
この本、誰得だろうと思考をしばらく飛ばしてみたが、見事に返ってこなかった。。

「超AI時代」と不安感を煽るキャッチーなタイトル。
そして、
 外見には気をつけろ!
 筋トレは欠かすな!
 会社を使い倒せ!
など、自己啓発セミナーの香りする断言調の文句や未来空想。

こんな姿勢が大切だ
こんなやりかたが必要だ
こうしないと生き残れない

など、著者の助言をすべて真に受けたら、つまるところ、鉄腕アトムになれってことね、と頭の悪いぼくは早合点してしまった。

なんとも詩文的な文章なんだけど、後につづくロジックの建て付けがしっかりしていないので、マルクスのような、なるほど感はない。「ヨーロッパに幽霊が出るーー共産主義という幽霊である」で始める共産党宣言のように、詩文的文章の詳細である、社会構造にたいする見立て、解決策を抱き合わせて提示してほしかった。

とはいえ、エピローグ(後述引用部分)は一見の価値あり。

「ドキドキする」というのと、「報酬がある」というのを組み合わせると、人は「テンションが上がる」ことに注目する著者。お金2.0の佐藤さんが提唱していた発展するコミュニティの法則とかぶる。思想のトレンドを行く人たちの共通感覚なんだろうね
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お金2.0 新しい経済のルールと生き方
新しい働き方、共同体、経済圏を創ろうとしているんだけど、ざっくり世の中の方向性はどっち向いてるの?と迷子になっている人向け。

著者のブログ。
「お金2.0」で書いてあることを、もう少し文字量多めに書いている。というか、ブログの記事を本にドリップした感じなので、やっぱり、「お金2.0」を読むのが一番てっとり早い。「採れたて新鮮な佐藤さんの思考が欲しい!」という方は、ツイッターもおすすめ。

佐藤 航陽のブログ
http://katsuaki.co/?author=1

著者ツイッター
https://twitter.com/ka2aki86

ブロックチェーン、IoT、仮想通貨など、ぱっと見、関係なさそうなキーワードも「分散化」という同じムーブメントなんだよということを教えてくれて、「そっか!目から鱗!」って気分になった。

「お金2.0」が何より優れているのは、専門用語を意図的に使わないように書いてくれていること。


ロジックのATフィールドが弱いのです。つまり、人に優しい。

しかも、にくいなーと思うのは、「で、実際、具体的にどんなサービスやムーブメントが起きてるの?」という当然の疑問にたいして、胃もたれしない程度に事例を紹介してくれて点。

AIとブロックチェーンで自動運用される無人のヘッジファンド「Numerai」とか、「え、マザーコンピューター?手塚の?」ってビビった。これはファンタジーじゃない。実際にこの瞬間も稼働しているんだ…

ぼくはといえば、自分の価値を上げる職場環境に恵まれているので、地道に価値を揺籃していきたいと思います!以上!
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LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
評価:
リンダ グラットン,アンドリュー スコット
東洋経済新報社
¥ 1,944
(2016-10-21)

自分の価値にたいする仮説が立てきれていない人、来たれーー!

平均寿命100才超え、という衝撃のデータで「オレ(わたし)何年生きるんだっけ」という漠然とした人生設計の甘さを殴打してくれる名著。

明晰なロジックで足場が築かれているにで、読めば読むほど、著者の提唱する絶望的、いや福音的な?世界観への肯定感が強まります。
1998年生まれで、100歳まで生きると仮定。65歳で引退するとしたら、老後生活は35年。これを実現するためには今の給料の25パーセントを貯蓄に回さないといけないとか。歯ごたえがありすぎて顎が疲れる。。

そんな世知辛い人生設計を促す文章の中で救いなのは、

手元の武器(資産)がなんなのか、人生のどの時期でどのようなは武器を手に入れていけば良いのかが仮説が立てられる

ということ。無形の資産の価値に気がつきます。


ちなみにぼくが今手元にある無形資産といえば、

・精神面を除く体力
・家族や友人との良好な人間関係
・借金ゼロ(教育ローンがない)、家賃ゼロ(実家暮らし)

あたり。


運動を継続して活力資産を微増させつつ、上記3つを足場に生産性資産を緩やかにあげたいです。その先に有形資産を蓄積したい!
とりあえず、最初の第一歩として、知人でファイナンシャルプランナーの清水斐さんに、10万円からスタートできる資産運用を相談したいと思います(ビッグ5全問不正解)。
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ローマ人の物語XII 迷走する帝国
坂を転がり始める3世紀のローマ。「ローマ」という運命共同体への個々のインセンティブが下がってきたのはなぜか。数ある中で因子の中でも特に、ローマ市民権の既得権化が大きな影響を与えたのでは、と七生たんは分析する。なるほどな、の一言。
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ローマ人の物語X すべての道はローマに通す
ローマのすごかったのは、ローマ街道という長大なネットワーク、インフラを作ったことだけではない。それを維持しつづけたこと。維持するためのインセンティブも幾重にも設定されていた。街ができてまだ20年くらいしか経っていないのに、我が街の道路は既にボロボロ。何百年もインフラとして機能させてきたローマのスピリット、すばらしい。
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ローマ人の物語XI 終わりの始まり
コミュニティのリーダーの正当性をどう扱うか、というのが取り扱われた巻。

養子縁組で皇統に引き込むことで、権威の移譲が奇跡的にスムーズに行われてきた五賢帝時代。

世襲は内戦の危機を事前につめる権力移譲の有力なシステムだけど、優秀な頭脳をリーダーに据えるシステムを止めることになる。一方、養子は優秀な頭脳をリーダーに据えられるシステムだけど、最後まで正当性の問題が残り、内戦のリスクを孕む。いろいろ難しい。
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ローマ人の物語次ヾ躓,塙酩
大学入ってからすぐにでも、この本読んでおけばよかった。と思うこと連続の、安定の一冊。
パンとサーカスは娯楽提供ではなく、かなり精緻に設計された社会福祉政策だったんですね。
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ローマ人の物語察^名高き皇帝たち
大学時代に読んだ、タキトゥスの「年代記」やスエトニウスの「ローマ皇帝伝」。
かなりセンセーショナルで、「マ・ジ・で・か!」と思って読んでたけど、それって尾ひれ背びれのついた話だったのね。
本書を読んで、ティベリウス、カリグラ、ネロの印象が変わった。みんなちゃんと政務とってたんだな。
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